Bert and John
アメリカのそれと異なり、イギリスにおけるフォークロックは、声高にアジテーションを唱えるよりも、むしろケルト民謡の伝統に則って精神の内奥に深く沈潜していく方向で発展してきた。本作は、バートとジョンの二人によるギターのインタープレイが聴き物である。テクニック的には非常に高度なことをやっているが、むしろ聴くべきはその暗鬱なメロディーラインである。バロックやインド音楽の要素さえ感じさせるダウナーなサウンドは、お休み前のリラクゼーション音楽としても最適かもしれない。
Palermo Snow
1944年生まれだから67歳になるJohn Renbourn、久しぶりの新作だが、変わらず繊細で彼にしか生み出せない音楽がここには存在している。
彼のCDの中では、クラシック寄りに近いかも知れず、「ハーミット」が好きな方は、正に至福のCDだろうと思う。
クラリネットが絡む曲があり、初めはちょっと違和感を感じたが、聴き込むうちに、それはそれで納得をした。
John Renbournの円熟ぶりを示すCDだと思う。