生産マネジメント入門〈2〉生産資源・技術管理編 (マネジメント・テキスト)
「文系にもわかる」のキャッチフレーズだが,この<2>こそは「理系」あるいはすでに「技術者」としてメーカーに勤務している人に薦めたいと思う。
こういった会社の中の他分野の業務・システムへの理解を補うことで,本来の専門分野での仕事にも幅ができてくるだろう。日頃業務に忙殺されている(?)「技術者」諸氏が「専門バカ」にならないために,重要なことである。
私は製造業界にいるが,そこでよく言われる大事な要素「ヒト・モノ・カネ」に,ここ10数年では「コト」(私の造語だが,「言」=情報のこと)を付け加えるべきと考えている。この<2>を読むとまさにその「コト」の重要性が浮き上がってくる。(購買管理・労務管理・プロジェクトマネジメントなども,企業オペレーションのためのソフトウェアと考えれば「情報」に区分されるであろう。)
ヤマトタケル ROLL.1 [VHS]
この「ヤマトタケル」は古事記を元にして作られたアニメ作品です。とはいってもそんな固いアニメではなく、ロボットアニメ的な要素もあり、それほど悪い気はしない作品でした。
ロボットアニメというと、私として気になるのはその操り方です。というのも、例えば、今の今まで一般人として生きてきた主人公が突然ロボットを動かす、というタイプのアニメは私的には気に入りません。
で、このアニメではどうかというと、合格点。この巻では全く操れません。しかし今後、このままか、それとも変化するのか、変化するならどんな過程を経るか、という期待が持てるのがいいと思います。
これを見ればきっと全巻通して見たくなること、間違いなしです!
ものづくり経営学―製造業を超える生産思想 (光文社新書)
なんと558ページの大作(もう少し薄かったら評価:★★★★★),藤本グループ(東大21世紀COEものづくり経営研究センター)の最新研究成果がまとめれらています.全部読むのはかなり大変ですが,必要な部分を選択的に読むのが効率がよいように思います.多くの部分が過去の著書の発展版や論文の焼き直しで,バックグラウンドを抑えているとそれほど難無く読めます.税込み¥1260はかなりお買い得の1冊だと思います.
今回の著書では 『非製造業のものづくり』 なる章も設けられており,藤本理論の一般化を更に進めている印象です.ボリュームがかなりあるので,連休一杯かかってじっくり読破するのが良いかもしれません.おすすめの1冊だと思います.
NHK スペシャルドラマ 坂の上の雲 第2部 DVD-BOX
近年稀に見る傑作ドラマであった第一部にも、欠点はありました。
秋山兄弟。子規と律。
この主役4人がからむシーンは、非常に奥行きの深い人間ドラマになっており、文句なしの面白さなのです。
ところが、彼等が登場しない政治外交がらみのシーンは魅力が今イチで、
俳優さんも、伊藤博文を演じる加藤剛さん(これは大変な名演)を除いては、
役にあまり馴染んでいないように見受けられました。
日露戦が間近に迫る第二部では、第一部以上に、政治家や外交官、秋山兄弟以外の軍人の出番が多くなるわけですから、
彼等の登場場面が面白くなければ、ドラマの魅力は半減です。
第一部は良かったんだけどねえ〜などという寂しいことになりやしないかと、私は内心、かなり危惧していました。
ところが、いざフタをあけてみるとどうでしょう。
第一部では今ひとつ役に馴染みきっていないように見えた役者さん達も、
別人のような生気を放って生き生きと行動し、
彼等の登場する場面のひとつひとつが、実に見ごたえのあるものになっているではありませんか。
第一部があまりに素晴らしかったので、これ以上のものはひょっとしたら出来ないのではないかという危惧は、
完全に素人の取り越し苦労に終わった感があります。
第6話では、ロシアを舞台にした広瀬の大ラブロマンスに胸を締めつけられ(ロシアロケの豪華さは一見の価値ありです)
第7話では、悲しくも崇高な子規の死に号泣し(香川照之さんの世紀の名演が堪能できます)
第8話では、迫りくる日露戦の緊迫感と、その中でのひとびとの、切なくも覚悟に満ちた感情のやり取りが見事な演出で描かれ、
最終第9話では、NHKの「覚悟」が心地よい、旅順閉塞作戦の一大スペクタクルに息をのみます。
とにかくどの回も見どころ満載。お腹一杯になることうけあいです。
第一部でも見られた戦闘場面の問題点。
一体どこでどんな戦闘が行われているのか、その全貌がつかみにくいといった編集上の問題点は、
第9話を見る限り、いまだ完全に改善されていないような気がします。
それが少し気がかりと言えば気がかりですが、
そんな欠陥は、第二部の分厚い魅力の前では、小さなアラに過ぎないように思われます。
残った欠点は来るべき第三部で改善されることを期待して、
とにかく今はこの、近来稀に見る傑作ドラマを存分に楽しみましょう。
このドラマは良くも悪くも見どころが多過ぎて、一度ではその魅力を隅々まで味わいつくせません。
こういう時こそ、DVDの出番。
繰り返し繰り返し、重箱の隅まで鑑賞し尽くして、この作品の魅力を満喫しましょう♪
日本のもの造り哲学
大学院の指導教官のお薦めで,藤本先生の著書『ビジネスアーキテクチャー』を読みました.モジュール/インテグラルのところは,製造業に関わるビジネスマンは一度は目を通しておいても損はないと思います(と言うか読んでおくべき書籍でしょう?).最近出版された本書籍『日本のもの造り哲学』は,前書を話口調で読みやすく解説,非常に読みやすく(読んでいて疲れない書き方です),通勤学習に超お薦めです.アーキテクチャーに基づく産業観を提案,近年の産業セグメントは過去からの範疇に収まらないことは周知でありながら,なかなか新しい発想に移行できない現状を鋭く指摘している.また,従来の日本のもの造りの強さは摺り合わせにあって,企業文化とアーキテクチャ(ここでは,製造に関わる設計思想と定義)のマッチングができている企業は競争に勝ち抜き,負け組はこれができていないと指摘している.非常に身につまされる指摘である.自分の会社がどうかである!
価格も\1,600とお手頃です,夏休みのこの時期に読んでみてはいかがでしょう.