主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ
糖尿病は糖負荷に耐えられないひとつの体質と考えます。現在「バランスのよい食事」といわれるような配分(炭水化物60%など)でも糖尿病体質の人では血糖値を低く保てません。そのメカニズムについてもこの本ではよく説明されています。高血糖のままでいると、いろいろな合併症が出てくるために、高血糖にならないよう食事療法、運動療法、薬等でコントロールします。しかし、入ってくる糖質を制限する、これが高血糖をまねかない一番の方法です。タイトルにギョッとするかもしれませんが、「糖尿病=インシュリンの機能不全」を解決するには糖質制限、糖質管理が大切ということを、わかりやすく述べた良書です。糖分を取らなければ人間は生きてゆけないのでは、と思うかもしれませんが、糖質を制限しても人間はエネルギーを活用して立派に、健康に生きてゆけるのだとこの本を読むとわかります。著者自身も糖尿病体質であり、血糖値の正常化と健康的な体格(メタボリックシンドローム脱出!)を維持されています。著者の勤務する高雄病院では1999年からこの食事療法をすすめ、糖質制限のみで良好な血糖コントロールを保っている患者さんが多数いらっしゃいますし、医学論文としても、血糖コントロールの効果は発表されています。また、高脂血症の改善にも効果的です。今話題のメタボリックシンドロームもこの食事療法によって間違いなく、改善できるでしょう。注意していただきたいのは、「主食を抜く」だけでなく、全体的な糖質を制限すること、しっかり読んでいただき、糖質制限の論理を理解して実践してほしい。ときどき、ご飯をやめて間食に糖質を取っていたりして、効かない!というはなしもあります。一人でも多くの方に、この本を読んでいただいて日本での糖尿病治療のスタンダードが糖質制限になってほしいものです。
我ら糖尿人、元気なのには理由(ワケ)がある。 ――現代病を治す糖質制限食
単に病気治療のための指標となるばかりでなく、人類はなにを食べ、どんな文明を形成して来たか。人類の「食」の歴史の流れのなかで、私たちが行きつく果てはどこなのか。この本は、現代の食生活の問題点をくっきり浮き彫りにすることで、私たちはなにを選んで行くべきかを教えてくれています。そして、「食」は、単に空腹を見満たし、栄養を補充するためでなく、文化であることを、思いださせてもくれます。家庭医学書の枠を超えた、哲学思想の本と言っても過言ではないと思います。
宮本輝さんがしばし発言している「作家の勘」。それこそが、野生動物の生きる力。江部康二さんも野生の勘が働いて、それをよりどころに、エビデンスをしっかり打ち立てて、糖質制限食の理論体系を構築していったのだろうと推測しました。理論と勘の両方の武器を握った力強い一冊です。
優駿 ORACION [DVD]
1988年に公開されました。宮本輝原作の「優駿」をもとに、北海道の馬産地で誕生した仔馬がダービー馬にまで成長する過程と、厩舎や馬主などをの周辺の人間ドラマが描かれています。生産牧場の息子として緒形直人さん、生産主として緒形拳さん、調教師として田中邦衛さん、馬主として仲代達矢さん、その娘として斉藤由貴さんなど、結構出演陣としては豪華です。また、ちょい役として当時の現役騎手、加藤和弘騎手や東信二騎手も出演しています。
物語としてはある種のサクセスストーリーで予定調和的な感動を味わえるのですが、何故だか安易に感じられるのはどうしてなのでしょうか?考えてみれば、この映画は当時のフジテレビが盛んに打ち出していた映画路線(南極物語などの動物シリーズですね)の一環でして、テレビの演出をそのまま映画に移植しただけの安易なつくりだからではないでしょうか。特にいちばん盛り上がるべき府中競馬場でのレースの描写は、競馬が本来もっているダイナミズムがまったく伝わって来ず、拍子抜けしてしまいます。まるで炭酸がまったく抜けたサイダーを飲まされた気分です。
原作もよし、俳優陣もよし、なのにこの感覚は、ひとえに監督の責任、演出の稚拙さによるものです。フジテレビも大いに反省するべきですよね。「映画を甘く見るなよ」という感じです。
泥の河〓81東映セントラル〓 [VHS]
この映画はビデオで見ました。幼い時の大阪の風情を凄く思い出させる作品でした。昭和30年代から40代の大阪は街自体もまだまだごちゃごちゃとしていましたし高度成長期で、今とは比較にならない位埃ぽい街でした。街を流れる川も真っ黒でたまに死んだ犬とかが流れてました。
この映画はその当時の大阪を本当に上手に描いています。
大阪は「けちくさくて、吉本のお笑いがあって」というステレオタイプの姿は東京中心のマスコミが作ったもの。庶民的で有りながら何処かもの哀しさを漂わせる優しい街です。「泥の河」と言い「道頓堀川」といい宮本輝さんの描く大阪は上手くそれを表現してますし、その中にちらりとニヒリズムを感ずる事も出来ます。皆さん方と同様DVD化を早く望みます。