ハゲタカ DVD-BOX
シナリオは原作が小説なのでともかくとしても、
映像、音楽、キャスティング、全てにおいてとにかくクオリティの高いドラマです。
ただのマネーゲームではなく登場人物の心理描写が細かく、
たった6話でここまで出来るものかと感心してしまいます。
演出も毎話ごとにしっかりクライマックスがあり見てて高揚しますし飽きません。
経済という難しいテーマのさらに難しい裏側をえぐりながらも
映画顔負けのスケール感やスリル感満載で仕上げられ
見るものを釘付けにするこのドラマはここ10年で最高の1本だと思います。
サムスン栄えて不幸になる韓国経済
1980年代の初め、全斗煥大統領の時代に韓国に駐在したことがある。当時は1965年の日韓基本条約による日本の経済支援とベトナム戦争参戦を背景に、韓国は「漢江の奇跡」といわれる急成長を完成しつつあった。韓国は財閥重視の政策を取ったが、財閥間の競争は厳しかった。どの財閥も多くの業種に参入し、各業種とも財閥間の競争となった。財閥独占の問題があるにしても一般国民にとっては今より幸福であったのかもしれない。
その後、民主化は進んだものの97年のアジア通貨危機で破綻した韓国はIMFの管理下に入り、財閥の解体や再編を経てサムソン電子、現代自動車、ポスコなどのガリバー化した独占企業が誕生した。独占企業は栄えても韓国民が不幸になる構造がこのとき作られた。3社とも外国人株主が株式の50%近くを保有するという事実にも驚く。
菅政権は突然、TPPへの加入推進を言い出した。韓国経済を「他山の石」として安易な参加は戒めるべきであろう。TPP加入の本質は、農業問題ではない。米国の狙いが金融・医療サービスなどの自由化であるとの指摘には大いに首肯できる。
Moments: The Pulitzer Prize Photographs : A Visual Chronicle of Our Time
毎年、文化・芸術で功績を残した人に贈られる賞。 それがPulitzer Prize。 1942年から1999年にいたるまで、ありとあらゆる歴史の瞬間がこの本にはあります。
衝撃的な写真が多いのですが、中でも個人的には1994年のKevin Carter 'The Vulture and the Baby'が一番心にキリキリとくる悲しい作品だと思います。
作品をあげればきりがないのですが、とにかく報道写真の全てが知りたければ、この本を手に入れる以外にないでしょう。
Ravensburger ハゲタカのえじき
旅行に持って行き、5人でやったところとても盛り上がりました。ルールは単純で、ルールを読んだだけではこんなに盛り上がるゲームだとは予想できませんでした。毎回どのカードを出すべきか悩みますし、出したカードを全員で一斉に表にしたときの盛り上がりは最高です。一家に一つあって損はないゲームです。
ハゲタカ(上) (講談社文庫)
特定の主人公を置くわけではなく、アメリカのハゲタカファンドの日本人社長と、経営破綻したスーパーを再建するために友人に請われて邦銀からスピンアウトしたスーパーの社長と、これも経営に行き詰まっているホテルを建て直そうとしている女社長の三者の生き様をそれぞれ描く独特のスタイル。三者とも金融問題に直面している、そして日本に対する高い愛国心を持っているという共通点があり、同時並行でそれぞれのストーリーが進んでいく中で、相互に影響し合う。バブル前後の日本経済の状況を忠実に描写し、また、実在の企業をモデルにしているので、ノンフィクション性の高いフィクションであると言える。バブル期の金融機関の経営やコンプライアンスがどれほど緩んでいたのか、バブル後の金融機関の貸しはがし、貸し渋りでどれだけ地方の中小企業が影響を被ったのかなどといったことについて、アウトサイダーとしてはこれまで実感が湧かなかったのだが、本書を読むと、そのあたりがかなり生々しく描写されており、知的好奇心が刺激されてついつい引き込まれてしまう。かなりの長編小説であるが、中だるみもなく、興味深く読ませてもらった。