NYのスラムで生まれ育ち、タロンの手によりサイボーグ化された超能力少女ソネットと、古代超人類の遺伝子を受け継ぐゆえの超能力を持ち、それをタロンにつけ狙われる小松崎蘭。二人はそれぞれ違う意味で社会の中に入ってゆけないアウトサイダーであり、そしてバードという青年を巡っての恋敵…。別マ時代の「さよなら雪うさぎ」で無二の理解者であり恋人を殺されたイワンの復讐劇、ソネットをサイボーグ化したメレケスのソネットにたいする親心も絡まりあい、ドラマとして複雑な様相を見せてきての驚愕のクライマックスです。連載を雑誌で読まれていた方もコミックスを愛蔵されている方も、このラストシーンは愛蔵版出版のときにかなり加筆修正が入っており、唐突な形で終わったように見えるラストが著者の描きたかったものに近づいているようです。あとがきマンガにその事情も描かれていますので必読です。
(135)紅い牙 BLUE SONNETIII-Ballade-
アナログ盤リリース時に柴田先生が「コレを聴きながらドライブしたくなる」みたいな事を仰っていた程の逸品。
全曲バラードという思い切ったコンセプトだが、ラン、ソネット、バードのみならずメレケスやイワンにもスポットが当てられているのが嬉しい。
ジャケットのイメージも相まって、コーヒー片手に雪が降り積もる様を眺めながら…なんて聴き方が出来ればサイコーだ。
余談ではあるが、この盤はCDがリリースされ始めの頃にコロムビアの数少ないアニメジャンルでのCDリリースとなった作品だ。
当時は「アニメのCDなんて誰が買うんだ?」とか言ってた事や、本編での「REVO」絡みのストーリーを思い出すに感慨深い一枚である。