システム改革の「正攻法」
立て続けに発生したシステムトラブルでトップが辞任する事態なった東京証券取引所。
その後がない状態で開発が始まった東京証券取引所新システムの「arrowhead」
本書は、その開発がどのように行われたかを豊富な取材で解説している。
率直な感想は「正攻法を貫いた」と言えるだろう。
ITエンジニアなら開発に着手したら少しでも目に見える形として設計なり
プログラム開発を行いたい所を、徹底した要件定義とレビューに費やし後戻
りの工程を減らし、徹底した机上計算でマイクロ秒単位でのプログラムの
実行時間を減らす努力の積み重ねや工夫についてを惜しげもなく記載されている。
第12章の技術編を読むと、「ここまでやるか!?」という徹底したアーキテクチャに驚く。
また、この本の著者の大和田尚孝氏は元々システム会社出身の日経BPの記者のため、
システム用語、構築手法を理解している点も良い。