かーかん、はあい 子どもと本と私
朝日新聞に連載されているエッセイをまとめたものです。
歌人の俵万智さんとお子さんのやりとりがとても面白い。
「自分の子どもが読んだら、どんなことばを発するのかな?」と
ついつい紹介されている本を買ってしまうのです。
毎回新聞記事はスクラップしていますが、本になって、五味太郎さんの挿絵も
新聞掲載時より大きくのっていて、満足しています。
ぜひ続編も希望します。
サラダ記念日―俵万智歌集
現代語を用いていることや「カンチューハイの歌」などが収録されていたこともあって発刊当時は革新的歌集のように言われていた。しかし、それは正しくない。本書はとても古典的な歌集なのである。
俵万智の短歌はほぼすべて五七五七七という規則に従う。別の本で著者自身が語っているように、1980年代の現代歌は破調に対して寛容すぎであり、センセーショナルな単語のパワーに頼りすぎるきらいがあった。「使っている言葉は現代語だが、形式やコンセプトは厳格なまでに古典的でありたい。」という、著者の理想のもとで作られた短歌を集めた本書は、当時の歌壇に対する強烈なアンチテーゼでもある。
したがって、軽やかで現代的なことばつかいとは裏腹に、音韻の使い方や言葉遊びには万葉集の影響が見られる。タイトルにもなった「サラダ記念日」の歌がそうである(サ行の繰り返しによる野菜の歯ざわりの表現が絶妙)。また、歌われる内容は四季折々の風景や人間の心情といった身近なものであり、全部を描写せず読者に想像の余地を残すなど表現バランスもすぐれている。そして、言葉の選択に対するセンスの鋭さは特筆ものである。一見したところキッチュでポップな表面にカモフラージュされているが、実際には「真似できるものなら真似してごらん」とでも言っているような強烈な自信、自意識なども封じ込められており、強くしたたかな女性像を感じさせてもくれる。
本書が世に出て以降、現代語を使う歌人が続々とあらわれたが、このレベルに到達した人はいないのではないか。本書に記された文字だけを読んでも十分楽しめるが、じっくり読み込むといろいろなものが見えてくる歌集である。
故郷、日本をうたう
とつとつと丁寧に歌われています。
日本語ってこんなに歌的な言葉だったと気づかされました。
少しもりきまず、自然に流れて行き、それでいて軽くない。
最近のCDで、特に感銘を受けた1枚です。
最後の曲も、某テノール歌手のように変にりきんで、
「オペラ歌手でございます!テノール歌手でございます!」という
へんてこな歌い方ではなく、すーっと心にしみこんできます。
有名無名を問わず、後世に伝えたい美しい日本語の歌を皆さん聴いてみてください。
かーかん、はあい 子どもと本と私 (朝日文庫)
朝日新聞に連載されているエッセイをまとめたものです。
歌人の俵万智さんとお子さんのやりとりがとても面白い。
「自分の子どもが読んだら、どんなことばを発するのかな?」と
ついつい紹介されている本を買ってしまうのです。
毎回新聞記事はスクラップしていますが、本になって、五味太郎さんの挿絵も
新聞掲載時より大きくのっていて、満足しています。
ぜひ続編も希望します。