ダウン・バイ・ロー [DVD]
見捨てられてしまったかのようなニューオーリンズの街並みのオープニング。
バックに流れる"Jockey Full of Bourbon"
「人を殺した?ホイットマンを嫌いな奴か?」「ホイットマンを好きかどうか訊かなかった・・・」
"I scream,you scream,we all scream,for ice cream" 刑務所中の大合唱。
脱獄して、沼地を必死の思いで逃げて、やっと辿り着いた小屋の2段ベッドが刑務所とまったく同じレイアウトだったり・・・。
ロベルト・ベニーニの底抜けの明るさと、トム・ウェイツ、ジョン・ルーリーの何とも言えない表情と雰囲気、微妙な距離感が可笑しくてたまりません。
ジム・ジャームッシュ / アーリー・コレクションDVD-BOX (初回限定生産)
これらの作品をビデオで見たのがジムジャームッシュとの初めての出会いでした。(かなり前)
DVDを買おうかと思ったときにはプレミア価格でなくなく諦め・・・
でもこんなボックスが出てくれて助かりました。
これらの製作を担当していたサラ・ドライバーが監督した映画も気に入っています。そちらはまだDVD化されていませんが、、、(撮影はジムジャームッシュなんですよ)
ガーシュウィン・ファンタジー
フィギアスケート好きで、演技と共にクラッシックを楽しんでおります。
浅田真央ちゃんの演技で使用されていた演奏家がジョシュア・ベルでした。
こんなに多彩な音色のバイオリンは久しぶりに聴きました。
しばらく、彼の演奏に注目したいと思います。
ジョン・ウィリアムズ・グレイテスト・ヒッツ1969-1999
スティーヴン・スピルバーグ監督と組んだ数々の映画のテーマ曲をメインに、ジョン・ウィリアムズの自作自演(指揮)で楽しむ28のヒット曲集。DISC1の66分、DISC2の73分44秒の中に、ジョン・ウィリアムズの素敵な音楽がいっぱい詰まっています。
音楽の羽ばたく様が目に見えるような『E.T.〜フライング・テーマ』。
姿の見えないものが、徐々に迫り来る不気味な恐さを見事に表現した『ジョーズ〜テーマ』。
ボストン・ポップス・オーケストラの名奏者ティム・モリソンのトランペットの音が冴え渡り、胸に切々と響く『JFK〜プロローグ』と『7月4日に生まれて〜テーマ』。
カール・オルフの名合唱曲『カルミナ・ブラーナ』(ヨッフム盤が素晴らしい名演です!)に通じるスリリングかつダイナミックな雰囲気を持った『スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス〜運命の闘い』。
以上、五つの曲・演奏がなかでも魅力的で、ジョン・ウィリアムズの音楽の魔法の煌めきに、わくわく、どきどき、胸が弾みました。
改めて、彼の音楽のわくわくする楽しさと、心躍るファンタジックな気分を堪能することができた二枚組のCDです。
ダウン・バイ・ロー [Blu-ray]
ジャームッシュのメジャー2作目。結局はこれが私は一番好きです。
ひとことでいえば脱獄の話、なんだけど、穴〈デジタルニューマスター版〉 [DVD]とかアルカトラズからの脱出 [DVD]みたいな、脱獄、成功するかしないか、みたいなサスペンスには主眼は全然なく、実にあっさりと逃げちゃう(「脱獄」、というより「逃げる」の方があってる気がします)。むしろメインは捕まる前と、とりわけ脱獄後の道中にあります。
で、どこが面白いのかといえば、捕まる前も逃げてからも、とにかくやり取りが珍妙。仏頂面の珍妙さ、というか、トム・ウェイツはもちろんジョン・ルーリーも、コワモテのおじさんで、街で見かけたら駆け寄るというより避けて通りたい感じですが、この映画を見てしまうと、トムが黙って座ってるだけでなんかおかしくなってきてしまう。とりわけ刑務所に入ってから、(その後国際的にきわめて有名になる)ロベルト・ベニーニが加わって、カタコトの英語で頓珍漢な愛嬌を振りまき始めると、シュールなトリオ漫才のようになってきます(「マイ・ネーム・イズ・ロベルトォ.コール・ミー・ボッブ.」という台詞を未だに覚えてるくらいです)。脱獄後などとりわけ、ですが、むくつけきおっさんたちの道中の面白さ、という点で、ふと隠し砦の三悪人 [Blu-ray]を思い出したりします(ジャームッシュのことだから、きっと下敷きにしてるのでしょう)。
面白うてやがて哀しきコワモテの男(ども)、というのが、ジャームッシュの映画のひとつの真骨頂だと思うのですが、後年の作品では「面白うて」の部分がどんどん消えていってしまう(奇妙なかたちで時おり噴出することはあるとはいえ)ように思えるのは「哀しき」ことであると私などは感じます。そういう意味でも貴重な作品です。
とはいえこれはやはりただのコメディー映画ではない。それは、移動する車に据えたカメラからダウンタウンの歩道の様子を延々と捉えたショットに、トム・ウェイツの渋ーい歌がかぶさるオープニングのただならぬかっこよさからも明らかです。その辺のへんちくりんなバランスが、何度観てもやっぱりおかしい、しかしおかしいだけではない、いい味を出しているのでしょう。この味わい、是非体験していただきたい。