日本の信号ラッパ
陸海軍、陸海空自衛隊、そして消防の信号喇叭のCDである。
おすすめ商品に表示されて、あまり期待せずに購入したが、予想以上に興味ぶかいCDだった。
戦争映画で聴きなれていたいろいろな信号喇叭の譜名を、このCDではじめて知った。
喇叭譜の「君が代」や「海ゆかば」は、同名の曲とは音がちがうことも、はじめて知った。
映画『トラ・トラ・トラ! 』で、山本五十六が着任するときの喇叭は「海ゆかば」である。
着任するときに「海ゆかば」は意外だが、高官に敬礼するときの喇叭譜だという。
正露丸のコマーシャルの音楽が、陸軍の「食事」の喇叭であることも知らなかった。
陸上自衛隊が旧陸軍の喇叭譜を廃したのに対して、海上自衛隊が旧海軍のそれを継承しているのも興味ぶかい。
消防が喇叭譜を制定しているのは知らなかった。
消防の「国旗に対する敬礼」の譜が、旧陸軍の「君が代」とおなじなのも意外である。
わずかな冊子だが、日本の信号喇叭の歴史が書かれていてる。
みじかい喇叭譜は、ひとつのトラックに複数収録されているが、やはりひとつづつトラックをわけてほしかった。
また、映画で聴くよりも喇叭の調子がおそいようだ。
消防には喇叭譜があるのに、警察にはないのだろうか。
海軍の号笛を整理したCDもほしいと思った。
軍歌や戦時歌謡の情報はいくらでもあるが、信号喇叭のそれはめずらしい。
日本の戦争映画をよくみる方は、購入されても損はないと思う。
YouTubeでも信号喇叭の動画はあるが、体系的に把握するという点ではこのCDを購入した方がよいだろう。