西村朗:秘密 マニの光 西村朗管弦楽作品集
多分・・・・・・
西村朗氏は 身の回りやお空の向こうの宇宙を通じて、やはり人の感情を追究しようとも
思っていらっしゃるのかな?
な〜んて…。
私では考えも及ばぬ作曲者の創作世界にまでは まだ踏み込めずにいるんです!
漂っている様々な感情をキャッチして渾沌の中に身を置く作業って
すごすぎます!
真似事をしたら きっとブラックホールにはまってしまうに違いない私にも
〈光〉や 〈風〉で 救ってくれそうな演奏は優しさを含んでいるようです。
Discによっても(!)私が・・・・・・
作品が持っている第六感・直観(the sixth sense・a sixth sense)
を感じるのも おぼつかないことに気付いてしまいました。
感じられたかもしれない少しでも 生かして行けたらな、と思ったりしています。
光媒の花
この作品は、主人公がそれぞれ異なる全6章から成る連作小説です。
これまで、道尾さんの作品を多く読んできましたが、この作品は特に登場人物の心の機微が丁寧に描かれていると思います。
悲しいときに感じる痛みだとか、そこから立ち直るときのちょっとしたきっかけだとか、これまでに自分も感じてきた情景を追体験するようなほろ苦さを味わいながらも、たのしく読み終えました。
主人公たちが章をまたいで影響しあう話の展開も含めて、完成度の高い作品だとおもいます。
光媒の花 (集英社文庫 み 46-1)
とても面白かったです。
物語には様々な人物が登場します
認知症の母と暮らす中年男
ある罪を犯した幼い兄妹
悲しい秘密を抱えた少女と少女に恋をする少年
あるきっかけで、耳が聞こえなくなった少女と、少女の祖父
病にかかった姉を見舞う、母を恨む青年
自信をなくした女教師と、憂鬱を抱える生徒
道尾さんは人間の微細で繊細な、だけれども重大な心の動きを書くのが抜群にうまいのですが 今作は特にそれが顕著に描かれています。
誰の心にも忍んでいて、時にふっと顔を出す悪意や狂気
誰もが持つ光と陰、そして優しい心
それらが巧みな筆致で表現されています。
物語はバトンタッチのように次々と繋がっていきます。
そしてどのはなしも
読み終わった後、鳥肌がたってしまうほど濃密でした。
どんな人でも複雑な思いを持っていて、それでも生きている。
76頁でホームレスが発した言葉。 よく聞く言葉ですが 道尾さんの優しく切な願いのように感じました。