話の流れとしては、水月シナリオが最も自然だと私は思います。
しかしプレイしていると、水月に中々愛着をもてないというか、
しっくりこないのです。 それはなぜか?
それはきっと、私たちプレーヤーには、水月と過ごした3年間が
空白になっているからだと思います。
孝之本人は、水月と3年間もずっと一緒に過ごしているのですから、
水月を選ぶシナリオはすごく自然です。
しかし私たちは、水月より、かえって遙と過ごした時間の方が長いのです
(1章では4時間ほどバカップルをやっていました笑)。
しかも私たちの3年後は、実質3分後(笑)になっていることも
遙に愛着を強く持ってしまう理由だと思います。
以上の点を鑑みると、age がHPでアピールしている
【主人公=プレイヤーという一体感】
は出し切れていないと感じました。
ですから、評価は星4つにしました。
ただ、作品の演出面(歌、BGM)は素晴らしかったです。
君が望む永遠 ~Rumbling hearts~(通常版)
青春時代になんらかの「傷」を持つ男性なら、感情移入せずにはおれないシナリオを持つ異色の快作。
「究極の二者択一」をプレイヤーに迫り、大いに悩んでもらおう、というのが本作の真意なのはありありなのだが、しかしそれだけで済まされなくなるレベルまで昇華しているのが最大の特色。「トコトン考えさせ、トコトン悲しませ、トコトン悩ませ、そして最後に大いなる後味の悪さを残す」という意味では、映画「タイタニック」にも共通するものがある。しかし「タイタニック」との最大の違いは、その拘束時間の長さだ。映画なら数時間で解放されるが、本作は、プレイ時間が長くなるほどバックグランドの情感が抜けにくくなり、ついには実生活上の精神状態にも影響を及ぼす。多かれ少なかれ、誰でも軽度の鬱状態を経験するはず。
実際、この選択はどのエンディングを取ってみても「理想的に解決される」ということが絶対にあり得ないわけで、その意味ではどのエンディングも大いに後味の悪さを残す。しかしこの後味の悪さこそが本作の味、そして青春の味だ、と解釈できなくもないわけで、しかしそれならば理不尽さはそのまま理不尽に捨て置くべきだったろう。無理に破綻なくまとめようと努力すべきではなかった。
さらに一つ納得できなかったのは、私は「究極の泣きゲー」との前評判から、青年時代に戻って怒号したいがために実にマジメに、真摯にプレイした。しかしその結果、私がたどり着いたエンディングは、実にクレイジーで投げやりなバッドエンディングであった。他の部分の丁寧な心理描写からは考えもつかない酷いエンディングで、「これが数十時間を費やして真摯にプレイした見返りなのか?!」とのショックは隠せなかった。むろん、すべてのプレイヤーに同じ「豪華な泣きエンディング」が用意される必要はないし、これが2回目以降のリトライであれば私も不満は言うまい。しかし、本当に私の実存を賭けてプレイし、すべての台詞を割愛することなく丁寧に読み、声優陣の渾身の演技を真摯に受け止め、すなわち私は身も心も誠実な青年になり切ったつもりだった。その挙げ句のこの仕打ち。これは、入り込みすぎていただけに、実生活で受けるショック並の衝撃であった。システムに欠陥はなかったか?それともヤッパリ私がおかしいのか?!
しかし、私はだからといってこの作品の評価を下げるつもりはない。こんな気分になったのは、遠い昔ゲーテの「若きヴェルテルの悩み」を読んだとき以来で、それは遠く過ぎ去った私の青春時代の、もう絶対に得られない郷愁だからだ。
君が望む永遠 上巻 (パラダイムノベルス 135)
ところどころゲームのシナリオとは違うところが出てくるのかと期待しましたが、呼んでみて一番効果的だと思ったのが出だしの違いでした。膨大なシナリオをすべて網羅するのは困難だろうから、より作品に没入できるような効果を狙った冒頭でした。読んでいる間、プレイ当時の感動を呼び起こされて何度もページを繰る手を止めて、打ち震えました。
一度プレイした方にはぜひお勧めしたい一冊です。そしてパソコンゲームはちょっとという方に、この作品の良さを伝えるためには役立つ一冊だと思いました。下巻での結末がとても気になるところです。
age official 君が望む永遠MEMORIAL ART BOOK
まず、とてもいい作品です。
オフィシャルブックなので、質は十分満足です。
キャラクター別にゲーム内で出てくる画像130ページ近くあります。
しかも、簡単なストーリーがあるのでやった事がある人なら思い出せるのでは無いでしょうか。
また、未使用原画や遙伝説などもあり、とてもいい物です。
本編をやった事が無い人でも楽しめる物になっています。
また、やった事がある人でも初期設定資料などで楽しめます。
あと、個人的に気になったのが本編で語られる事が無かった
遙伝説の雪山バージョンがとてもおもしろかったです。ずいぶん笑いました。
君が望む永遠 Blu-ray BOX
私自身はアニメからゲームに入った口
どんな話なんだろうって思ってる未見の方々に対するアドバイスとして参考になればと思います。
「君が望む永遠」(以下きみのぞ)について
先ず初めて見た私の感想は「ものすごくイライラした」ということです。
いわゆるハーレムアニメではなく、現実に則した社会との繋がりが強い作品。ゆえにラストは個人的にはとても良かったのですが、人によってはどのキャラクターに感情移入するかによってすごく後味の悪い結末にも思えるかもしれません。
良かった点として声優さんの演技が素晴らしく、キャラクターの苦悩や葛藤がすごく伝わりストーリーの世界観に生々しさが付与されていて良かったです(特に水橋朋子さんが素晴らしかった)
「アカネマニアックス」について
「きみのぞ」と打って変わり全体がギャグテイストで凄く違和感を感じるかもしれません。設定はアニメ版エンドに準拠していて外伝でありながら続編という面もあり、所々でシリアスなシーンが挿入され「きみのぞ」のその後が垣間見えます。
特典について
新規オーディオコメンタリーの追加がとても気になります。できればキャストコメンタリーが良いですが予定とのこと。DVDについていた特典は実物の絵本以外は封入されるようですね。
まとめ
私個人としてはあえてハードルが高いかもしれないが未見の人にも強くお勧めしたい作品。特に「きみのぞ」はアニメをあまり見ない人にも見てもらいたいです。