Jazz Icons - Rahsaan Roland Kirk - Live In '63 And '67 [DVD] [Import]
このミュージシャンほど「現代に生まれてくれば良かったのに」と思う人はいません。CDで音だけ聞いてると普通のコンボジャズなのに、映像で見るとまさに一人ビッグバンド!!。3本サックス+フルート+リコーダー+ホイッスル+本人の叫び&スキャット!。そうか!こんな演奏だったのか!。あまりに先鋭すぎて理解されにくかったのもうなずける。アメリカではジャズはもう古くなりつつあって、彼のようない「とんがったジャズ」はヨーロッパにしか活路がなかったのか?、。3本のサックスを見事に操り、すばらしいハーモニーを奏でている。1本のサックスにはセロハンテープ?で固定したキーが見られたり、2本のサックスを片手で操作したり、彼の創意工夫が見て取れる。ビバップをとうに追い越し、マイルスやコルトレーンさえも自分の音楽のほんのエッセンスに使いつつ、出来る事のすべてを出し切り、しかもユーモアもたっぷり含んでいる。ああ、目の前で見たかった!。
プリズムペーパーバックス No.009 週刊ラサーン 《ローランド・カークの謎》
こんなマニアックな特集があって良いのか!と驚き、嬉しくなってしまいます。
そう言う意味では貴重な本であり、「この本を出した」と言うだけで既に評価に値します。
内容的には、「カークに関するデータ(アルバム、楽器、メンバーetc)を出来る限り集め、それを体系的に整理した本」と言う印象です。
多分、著者としては、「〜を体系的に整理した結果、そこから見えて来る事象を通じて、カークの姿を浮き彫りにする」と言うのが狙いなんでしょうが、正直、「そこから見えて来るもの」については、いささか食い足りない感じです。
ただ、もの凄く熱意と根気をもってデータの収集解析を行ってるのは伝わって来るので、その点は買いたいですね。
Mingus at Carnegie Hall
74年のライブ盤。バンドリーダーとして、いつもは強力な支配力を発揮するミンガスが、サポートに徹した熱すぎるジャム。
何せメンバーが、ローランド・カークにジョン・ハンディ、ジョージ・アダムス、チャールス・マクファーソン、ジョン・ファディス、ドン・プーレン、ダニー・リッチモンドだ。特にカークは珍しくワンホーンのみで、彼の演奏でもベストのひとつといえる熱演。他の面々も熱いソロを取っている。
驚きはソロがないミンガスのベースだが、これが地を揺るがすような、腹の底から響くような、あのミンガス・ベースラインでメンバーをサポート。これが実に気持ちいい。ミンガスほど、聴いていて心地よく昂ぶるベースはないと思うのだが、どんなものだろう。
何はともあれ、ジャズメンたちの熱気がそのまま伝わるような超名盤。ミンガスのメッセージ性やバンドリーダーとは違った魅力が全開である。