チョコレートダイアリイ (花とゆめCOMICS)
常に不思議な感覚で読者を魅了してくれる望月さんですが、これはその不思議感覚がちょっと和らいだ感じで初心者のかたにはお勧めです。チョコレートというありふれたものが、不思議なものに変わっていく過程をお試しあれ。
緑の黒髪 (花とゆめCOMICS)
望月花梨さんの作品は、壊れそうな繊細さで、読んでいると胸がきゅっとせつなくなる。血のつながらない兄弟のせつない恋(以前?)を描いた「緑の黒髪」と、影響を受けていた姉が行方不明になった妹の「シャボン」ともに、。思春期というかいまだ大人でも子供でもない時代の「あやうさ」みたいなものを、これほど見事に描く作家はいないと思います。なんと言うのかな「あやうさ」と「純粋さ」「残酷さ」が同居しているような感じです。岩井俊二監督の『PICNIC』なんかの雰囲気を思わせる。緑の黒髪でいづみが、武田君に2年ぶりに出会うシーンは、ちゃんとその前のシーンと『全然違う』思いつめた勘がなくなっている表現はすごいなぁ、と思った。
コナコナチョウチョウ (花とゆめCOMICS)
チョークの粉は、蝶々の鱗粉を連想させて、とても気持ち悪い。
他人と交わることを極端に避ける緑子は、同級生のいじめを受けている。
そんな緑子を救ったのは、人のいい男の子、チロだった。
でも、「あんたなんか大嫌い!」緑子はチロを拒絶する。
ところが、ひょんなことから緑子はチロを女子トイレに連れ込んで・・・。
思春期の揺れる少女の心を描く表題作の「コナコナチョウチョウ」のほか、
新任物理教師と心中未遂し、ひとり生き残ったクラスメイトの花森さんに
心引かれる主人公を描いた「サクラチル」など、日常の中の非日常にあなたを
いざなう、珠玉の短編7本を収録!!