新・特命係長只野仁 (6) (ぶんか社コミックス)
面白いです。デジタル時代をアナログに生きる男 只野仁 作者の人生観そのものです。ストーリー展開は甘い点もみられますが 読みやすく はまりやすいです。
小悪魔の成功法則―銀座ホステス囲われ生活のススメ
銀ホス本が好きで、でも最近どれもこれも成功したママの心得本だったり、黒服君の女の子談義だったりで飽きてきたなあという人にこの本はおすすめです。何故ならこの本はナンバーワンでもない普通のヘルプさんが、パパをつかまえてセレブな生活を手に入れるための手練手管を、涙ぐましい実体験(かなり地味な努力をしてると思います)に基づいて書いてるからなんです。この本が面白い理由は、著者が銀座に骨を埋める気がないからこそ本音を書けてしまうところにあるのではないでしょうか。タイトルに小悪魔とあるので「某蝶々さんの二番煎じか?」と初めは思いましたが、ある意味こっちの方がHow toとしても具体的で私は非常に参考になりました。
特命係長只野仁 (1) (ぶんか社コミックス)
只野仁という男は普段はダメな社員。だが、勤めている会長から特命を受けると
ケンカが強く女にもて、変装やピッキングなど特殊能力に長け、時には裏社会の
人脈を駆使して問題を解決する優秀な男に変身する。
読んでいてスッキリする場合と「こんなヤツいないよ」と妙にさめてしまう場合
があり、好き嫌いは人によると思う。
しかし、裏の顔はともかく、彼が上司「佐川」に言っている人生観のような物は
私個人としては大変共感できるし、彼のように達観して生きられたらいいと思う。
このシリーズは9巻、新シリーズが4巻(以下続刊)出ているが、次巻が楽しみ
だ。
ソフィー・マルソーの愛人日記 [DVD]
ショパンとジョルジュ・サンドは九年間くらい愛人関係にありましたが、その間毎年夏は、フランス中部ノアンのサンドの領地で過ごしました。その最後のころの雰囲気を再現しようとした映画です。本邦未公開。かなり予備知識を必要とする脚本で、私も一回目はギブアップしました。冒頭から10人以上の登場人物が説明ほとんどなしで入り乱れるのです。遠山一行『ショパン』(新潮文庫)を読み、最初のチャプターを三回くらい繰り返して見て人物の見当をつけ、四回目にやっと最後まで見ました。見終わってみると面白い映画でした。映画に描かれた多士済々のノアン来訪は、いろいろな人物のいろいろな年の来訪を再構成して一つにまとめてあります。だからツルゲーネフとドラクロアがニアミスしたりすることは実際にはなく、サンドの娘ソランジュ(これがソフィー・マルソー、力演)が一度の滞在のうちに婚約者を振り、ショパンに迫り、さらにクレザンジェという怪しい自称彫刻家とあっさりくっつく、という筋も実際とは違います。主役のショパンとサンドの描き方はなかなか説得的でした。筆が速くてどんどん原稿を書き飛ばし、むしろサロン運営や政治運動に積極的だったサンドが、同じ曲を毎日毎日執拗に弾いて推敲を重ねる純粋芸術家肌のショパンを、尊敬しながらもだんだんむかついてきます。ショパンもそれがわかっていながら、亡命者の身分と肺結核の進行からヒモとしてサンドに頼らざるを得ません。芸術家たちも、ショパンの友人グシマワら亡命ポーランド人も、ロマン派全盛の時代らしく、ひたすらけたたましいさわぎを演じながら、消耗し、頽廃していく感じがよく出ていると思います。邦題はいかにもひどいですが、ただ原題の意味も私は最後までわかりませんでした。なぜブルーノートなの? ご教示いただけると幸いです。