SENGOKU BEST COLLECTION
この商品では、好評のうちに幕を下ろしたTVアニメ作品『戦国コレクション』に登場する武将キャラクター達が、歌姫となって歌を届けてくれます。
楽曲は既に発売されたCDに収録された楽曲をメインに20曲収録されていますが、歌つきのものは全部で13曲です。
なお、劇中で主人公として活躍した全てのキャラクターの歌が収録されているわけではありません。
(Amazonの紹介には楽曲ごとの武将の名前が載っていないので、参考のため曲順に彼女たちの名前を挙げておきます。1織田信長、2徳川家康、3直江兼続・上杉謙信、4伊達政宗、5塚原卜伝、6平賀源内、7松尾芭蕉、8豊臣秀吉、9北条早雲、10今川義元、11片倉小十郎、12徳川家康、※13Rosary ※戦国武将ではなく、家康メインのお話に登場したキャラクターです)
以下では、これらのキャラクターソングをメインにレビューします。
まず、ひと通りこれらのキャラソンを聞いてみた率直な感想を述べるとすれば、TVアニメ『戦国コレクション』それ自体が持つ作品の濃厚な個性を味わうことができて大変美味でした、ごちそうさまでした、という感じでしょうか。
TVアニメ『戦コレ』では、登場する戦国武将の一人ひとりが個性豊かに、丁寧に描かれました。そのことが全体としてTVアニメ作品『戦コレ』の個性を形作ったのだと思いますが、このベストにおいてもその個性が十分に伝わってくるという感じです。
ロックな曲やポップな曲、ときには演歌、さらにはちょっとクセのあるおもしろい歌まで、武将のキャラクターに合った楽曲が繰り出されます。これらの曲一つ一つの楽曲の完成度はさることながら、キャラクターとして歌われる方達がとてもお上手なので安心して聞くことができます。収録されている楽曲のジャンルやテイストが一つ一つ違えば、大抵は苦手な曲もあったりするのですが、このベストに限っては収録されている全ての楽曲を気に入ることになりました。
さらに、ボーナス・トラックとして収録されている歌なしの曲も、アニメ本編を見ていれば思い出せる印象的なものばかりで、聴いていて楽しいです。この曲がサントラ未収録なの?と驚くものもあります。
かなり長くなってしまいましたが、購入しても決して損はないとてもよいベストアルバムであると言えます。
戦国コレクションをご覧になった方や、アニソン・キャラソンをお聴きになる方に、自信をもってオススメいたします。
卜伝最後の旅 (角川文庫 い 8-16)
戦国から江戸時代末期までの侍の生き様を描いた短編集
すべて実在の人物を取り上げている。
・卜伝最後の旅
剣の道を極めた晩年の塚原卜伝が、武田信玄や、京の将軍を訪ねた際の物語。
名将の誉れ高い武田信玄と、将軍でありながら己の剣のみを頼りとし剣に倒れた
足利義輝。卜伝を語り部として、二人の武士の生きざまをスケッチしている。
武士が備えるべき美徳もその立場しだいであることを、浮き彫りにした
印象的な短編。
・南部鬼屋敷
江戸初期に南部藩に仕官して目付に出世した塩川八衛門の物語。
戦が終わり平和になった時代に、戦士として生きる道を閉ざされた武士の
潔く美しい生き方が、心に残る。
・権臣二千石
江戸時代中期に小身から身を起し家老に上り詰めた小栗将監の物語。
権臣でありながら、武士の将来性に見切りをつけ、両刀を投げすてるつもりに
なっている武士を通して、退潮極まった武家社会をスケッチした物語。
美しい武士も、太平の淀みの中で腐ってしまったように思え、悲しい。
・深川猿子橋
江戸時代中期の庶民(陰陽師の親子、夫婦)の身に起きた事件を通して、腐敗し
力を失った武家社会の断片を垣間見せる物語。
透明で静謐な心で死を受け入れる庶民の姿は、武士のあるべき姿のようにも思える。
腐ってしまった武士の心意気は、庶民の中に生き残っていたのだろうか。
・北海の男
間宮林蔵の晩年を切り取って江戸末期の社会を描いた物語。
林蔵の樺太探検は幕府の命により打ち切り。その後、江戸で暮らす林蔵は、安逸
な生に満たされることはなく、北国を冒険を忘れられず、かなわぬ冒険を夢見つ
つを老いてゆく。
冒険の場も夢を実現する機会を与えられず、飼殺しにされる武士姿のむこうに、
保守化し硬直化した武士の社会が透けて見える。
雄々しく生きることができぬ時代に生まれた武士の悲しさが、切ない。
・剣客山田又蔵従軍
幕臣山田又蔵の、彰義隊の上野戦闘から西南戦争までの人生を描いた物語。
桐野利秋、西郷隆盛が登場し、三人の武士の生き様がリアルに描かれている。
明治になっても武士の矜持を、少しの力みもなく自然に息をするように、発揮し
た江戸時代生まれの武士たちの生きざまに感銘を受ける。
西郷を、「武士の体面などというものより、遥かに遠く離れた人物であった。」
と評した作者の言葉通り、最後の武士たる西郷は、武士を遥かに離れたさらなる
高みへと昇華したように感じた。
美しく生きた、最後の侍を見たような気持ちがする。
より映画のラストサムライより、何倍も面白い。
塚原卜伝 (ノン・ポシェット―日本剣鬼伝)
この人を知ったのは、10年程前、何となく立ち寄った古本屋。
そしてはじめて読むこの人の作品、塚原ト伝・・・まさに衝撃でした。
曰く「剣は稟性」、曰く「折れず曲がらずの剣はない」、曰く「武芸者は生きる事のみが道」、曰く「同じ遊びなら木刀打ちより撓え打ち」、曰く「名刀はお飾り」、曰く「素肌剣法は戦の役には立たない」、曰く「斬り覚えよ(剣は教わっただけでは強くなれない)」etc・・・
これ以外にもいわゆる時代小説にあたる作品は沢山ありますが、
それらにも、これまでの時代小説やチャンバラ小説に対する挑戦や皮肉などが感じられ、この人のチャンバラに対する”本気”が伺え知れます。
話の大方の展開こそ、エグく斬ったら女とヤってのワンパターンが目立ちますけれども、
そこだけを見てただのエログロ作者と読み捨てるにはあまりに勿体無いと思います。
塚原卜伝十二番勝負 (PHP文庫)
2011年10月2日(日)18:45−
NHK BSプレミアム 連ドラ7回の原作本です。
予告編を見ましたが塚原ト伝の若き日の姿、成長に興味がわきます。
鹿島神宮での撮影も盛りだくさんでまた鹿島神宮にお参りしたくなりました。
連ドラ7回楽しみです。
見てから読むか
読んでから見るか!