ジャスリスン
デビュー作『Aijuswanaseing』('00)は、その完成度の高さは認められながらも、スティーヴィー・ワンダー、ダニー・ハザウェイといった70年代NEW SOULの偉大なる先人から、ディアンジェロ、マクスウェル、オマーといったここ数年のNEW CLASSIC SOUL~ORGANIC SOULの立て役者達の名前でしか解釈されず、「才能のある新人であるが所詮は二番煎じ」といった厳しい評価がメディアの主要見解だった。しかしそんな玄人衆の否定的見識を余所に、Musiqのデビューアルバムは発売当初こそ無数のアーティスト達に埋もれていたものの、日を追うごとに頭角を現し、"Love"というスマッシュ・ヒットも生んで、ついにはミリオン・セラーを達成した。こうしたマーケットの柔軟な反応に呼応する形で、当初は辛口であったメディアの間にも次第にMusiqのオリジナリティを評価する声が出始め、最終的にはソウル・トレイン・アウォーズにてベストR&B/SOULアルバムを受賞したのを筆頭に、HIP-HOP関連の賞までも受賞するなどMusiqは数多くの栄誉に輝き、Bilal等と並んでソウルクエリアンズが活動拠点としているフィラデルフィア発ニュー・フィリー・ソウルの顔と呼ばれるまでに至った。
そんな経緯を経ての約1年半ぶりとなるニュー・アルバムが本作であるが、前作で見せたHIP-HOPテイストばりばりのホットなトラック上で、かなりオフ・ビート気味に言葉を発しながらしなやかにメロディを紡いでゆく、といった彼の独創的音楽性にさらに磨きがかかった、見事な傑作に仕上がっている。このオフ・ビート・スタイルは確かにディアンジェロがパイオニアであるが、Musiqの場合はそれをさらに徹底し、進化させたものである。Musiq自身、多くのインタビューで「自分は歌うMCである」と語っているが、まさにソレ。ある時は完全なまでにリズムを無視し、まるでバックトラックと競いあうかのように、誰も思いつかないであろうロディをトラックに乗せてくる様は殆ど熟練MCのフリースタイル状態だ。しかしそれは決してRAPではなく、きちんとした歌、しかも流麗なメロディをともなった心ある歌になっているところがMusiqの凄いところ。これこそが彼の最大の魅力であり、オリジナリティではなかろうか。そしてこの究極のオフ・ビート・スタイルは自然と強烈なHIP-HOPテイストをリスナーに感じさせる。特に本作は前作に比較してファンク・チューンの比重が多く、女性コーラスも必要最小限に削られてソリッドになった分、前作のロマンチシズムが薄らいで、男臭くストリート感覚溢れる、時流にあった作品に仕上がっている。
正直なところを言えば、曲単位では"Love"、"Girl Next Door"、"JustFriends (Sunny)"などシングル・ヒット・ポテンシャルを秘めた楽曲の宝庫であった前作に本作は及んでいない。現在"halfcrazy"がヒット中であるが、この後に続くシングル候補は故ジョージ・ハリスンに捧げられたビートルズのカヴァー・ナンバー"Something"(Music & Lyrics by George Harrison)くらいしかないのではないか。しかしアルバム全体の流れ、統一感、そして重みは本作の方が圧倒的に上であり、Musiqの成長と彼がこれからのR&B/SOULシーンを引っ張っていくんだという決意が満ち満ちている。
恐らくこれはまだ通過点なのだろう。次、もしくは次の次あたりにとんでもないエポック・メイキングな作品を作ってくれるのでは・・・?そんな確信にも近い期待を抱かせてくれる、充実の2ndアルバムになった。
リディック 通常版 [DVD]
デヴィッド・トゥーヒー監督ヴィン・ディーゼル主演(製作)リディックシリーズ第二弾。形式上では『ピッチブラック』の続編とされているが、まず単品と考えたほうがいい。前作から受け継いでいるのはリディックのキャラクターだけで、あとはスタッフとヴィン・ディーゼル主演というところが一緒なだけ。世界観など、前作で「いいな」と感じたところはほとんど変わっています。なんかもう、『ロード・オブ・ザ・リング』+『コマンドー』って感じです。ハイレベルなSFXと、野性味溢れるリディックが見所。ただしSFXはハイレベルなものの、登場人物以外ほぼ全てCGなので、こういうタイプのSF映画を観慣れていない人は大変な違和感を観賞中感じること間違いなしです。前作とは全く違う映画になっているけど、そうだとわかった上で観ればそれなりに面白いSFアクションです。ラストがどうも続編を意識させるものになっているので、全ての決着は三作目の製作・公開に期待します!
オリジナル・サウンドトラック「リディック」
映画史に刻まれるであろう大作SFにしてひとつの未来史を構築する「リディック」のサウンドトラック。音楽担当はグレアム・レヴェル。「スター・ウォーズ」とは一線をかくすアクション満載のダークな未来叙事詩の雰囲気によく合った、サスペンスフルで重厚な楽曲ばかりが揃っている。とはいえ、これから何作も続くであろう壮大な作品に必須と思われる、メロディアスでなじみやすいテーマ曲や、「スター・ウォーズ」でいうところのダースベーダーのテーマに当たる宿敵役のための曲がないのはちと魅力に欠けるか? この音ならば、映像があってこそという感じを受けた。ただ、これは独自のサントラとしてみればの話であって、映画音楽として映像を盛り上げ観客を興奮させるにはこれ以上ない出来だと思われる。
リディック ディレクターズ・カット版 [Blu-ray]
最近、なんとなくピッチブラックを観て思ってた以上に楽しめたので、
一応続編らしいこの作品も観てみたのですが、
これはなんとピッチブラック以上にめちゃくちゃ楽しめました。
最初のネクロモンガーの場面から引き込まれ、最後まで見入ってしまいました。
リディックさんの無敵っぷりがかっこよく、常に自信たっぷりな表情をしています。
しかしそれだけに最後の困惑したリディックさんの表情にはウケましたw
悪党リディックさんが受け継いだら宇宙はもっと危機にさらされるような気がしますが
どうやらその逆みたいですね…
内容が少しスターウォーズ的な要素があるように思います。
まあとにかく観て良かったです。
個人的にとても楽しめました。
まだ観たことがない方は、まず先にピッチブラックを観ることをオススメします。