Young Frankenstein / O.B.C.R.
昨年秋オープンのブロードウェイ新作ミュージカル『ヤングフランケンシュタイン』の秀作CDです。2008年トニー賞を予測する時期としては早すぎますが、候補にエントリーされることはまず間違い無でしょう。『TOGETHER AGAIN』『ROLL IN THE WAY』『JOIN THE FAMILY BUSINESS』という聴いているだけでも楽しくなる曲もあります。映画作品で使われた『PUTTIN’ON THE RIZS』もあります。モンスター製造実験の場面での『LIFE,LIFE』は、迫力と滑稽さの交わった愉快なハーモニーです。とはいえ、ACT1最後での『TRANSYLVANIA MANIA』が大変魅力的です。モンスター再来を危惧する村人達を前にして、屋敷の中からモンスターがうめき声を出すからさあ大変。うめき声を誤魔化そうと、声に合わせて歌って踊りだすうちに、村中楽しいお祭り騒ぎに・・・そんな楽しい場面がCDからも聴きとれます。
トニー賞主演女優賞候補常連のSUTTON FOSTERが出演しているのも魅力の一つです(2002年受賞、05、06年にもノミネート)。これまでの作品に比べて彼女の出番が少ないので、彼女のファンにとっては物足りなさがあるかもしれませんが、それだけ作品自体が贅沢に仕上がっているということです。
とはいえ、CDからは実際の舞台からの感動を伝えきることはできません。このCDを聴いて実際にブロードウェイの舞台を観劇なさる方がいらっしゃることを願ってやまない。
(2008/5/16追記 残念ながらトニー賞の候補にもノミネートされませんでした。ちょっとトニー賞としては品が無かったということでしょうか? しかしながらオープン後半年近くたつ現在でもなかなかチケット入手の難しい人気ミュージカルであることは確かです)
シックス・イヤーズ・シックス・フィート・アンダー・ザ・インフルエンス
◆Muderdollsのフロントマン、Wednesday13の古巣バンドFDQが息を吹き返した…。FDQは6年の活動期間に4枚ほどのアルバムをリリースしているが、その中でWednesday13がお気に入りの楽曲をセルフカヴァーし、新曲も若干収録している。そしてこのアルバムはセルフプロデュースでなおかつドラム以外全てWednesday13が演っている。(ドラムはかつてFDQにいたScabsのようだ)ボーナストラックに関してだが、収録曲の3曲はViva Los Violenceからそのまま持ってきていており、アルバムの流れを気にしていないのが残念ではあるが…。
アルバム全体はやはりWednesday13流のキャッチーなものばかりだ。Muderdollsが好きな人でも勿論楽しめる。たまには、B級ホラーのような音楽を聴いてみてはどうだろうか。
モンスター レガシー コレクターズBOX [DVD]
LD時代からBOX物には色々と手を出してきましたが、正直な話、内容・価格共に満足出来る物は僅かでした。
でレガシーBOXですが、久々のヒット(ホームラン!?)ではないでしょうか?価格を収録作品数で割ると約千円弱。それに同包のフィギュアですが、
業界トップのSIDESHOW社が手掛けているだけあってさすがの出来です。
さて肝心のDVDですが、既発売のタイトル以外はほとんど映像特典が収録されていませんが、代わりに日本語吹替音声が収録されています。
(こーゆー配慮がうれしい!)
ユニバーサルといえば、特典映像・音声解説等に字幕を入れない、米国版に収録されている特典を省略する等、良い印象はなかったのですが、
今後発売されるタイトルにもこのレベルを維持してほしいと思います。
購入を迷っている方には自信を持ってオススメします。
フランケンシュタインの花嫁(ユニバーサル・セレクション2008年第11弾)【初回生産限定】 [DVD]
死体から新たな生命を創り出すという驚異の実験に成功したフランケンシュタイン博士(コリン・クライブ)だったが、自分の創り出した「怪物」に殺され、怪物もまた、村人たちから追いつめられ、燃え盛る風車小屋の中で、命を落としたかに見えた。しかし、二人とも奇蹟的に命をとりとめ、怪物は再び逃亡する身に。一方、フランケンシュタイン博士のもとには、プリトリウス博士(アーネスト・セジガー)と名乗る人物が現れ、「怪物」の「花嫁」を創るという、さらなる狂気の実験を持ちかける…。
前作『フランケンシュタイン (初回限定生産) [DVD]』の興行的成功に気をよくしたユニバーサルが、その4年後に製作した続編。ホエール監督は、当初、続編に全く乗り気ではなかったものの、創作上の全権限を与えるというユニバーサル側の条件提示によって演出を引き受けたという。そういった意味において、ホエールの映画監督としての刻印が最もよく現れている作品とも言われ、第1作以上の出来、ホエール作品のベストと評価する向きも多い。
前作がユニバーサルの30年代、40年代のホラー路線を決定づけた記念碑作品的1本と言われるだけあって、正統的なホラー(恐怖)作品であったのに対して、続編である本作は、ずいぶんとユーモアが加味されている。その結果、「神になろうとした男」というテーマが、中心に据えられてはいるものの、重みはなくなったような感じがする。全体としてみると、「神になろうとした男」たち(今度はフランケンシュタイン博士に加え、プリトリウス博士も)の執念と挫折を描いた悲喜劇と言った趣だ。プレトリウス博士を演じるアーネスト・セジガーの怪演が作品全体のユーモア味を決定づけている。コリン・クライヴが、神に真向から挑戦するかのような切羽詰った感じなのに対し、セジガーは、神をからかってやろうという感じの茶目っ気がある。自分の創った、壜に入った小さな生命体を嬉々としてフランケンシュタイン博士に見せるあたりは(この場面の特撮はとても良く出来ている)、そういったセジガーの茶目っ気が一番出た名シーンだ。彼の怪演が、この作品を前作の重苦しいホラーとは違う、ヒステリー気味の喜劇のような味にしていることは間違いない。
そういった「神になろうとした男」たちの物語と並行して描かれるのが、怪物の心の旅である。前作では、誰からも畏れられ、忌み嫌われる「物体」でしかなかった怪物が、盲人と出会うことで、初めてやさしい扱いを受け、精神的、人間的な成長する様が感動的に描かれている。特に、盲人とのささやかな交流は、後に、メル・ブルックスが『ヤング・フランケンシュタイン [Blu-ray]』でもパロディにしたほどの名場面だが、ユーモラスであると同時に(怪物は葉巻をくゆらせ、ワインをがぶ飲みする!)、社会から疎外された者同士の束の間の心の触れ合いといった感じで、怪物の流す一筋の涙に、思わずこちらも涙してしまう素晴らしさだ。ボリス・カーロフのパントマイム的仕草と限られたセリフだけでの情感豊かな表現力は、彼の俳優としての力量を再度確認させてくれる。もう一人の怪物―タイトルロールである―エルザ・ランチェスターの花嫁も、とても短い出演(1分にも満たない)ながら、怯える小動物のように、大きな目をギョロリとさせて強い印象を残す。儲け役というと失礼だが、役得だろう。
すでに述べたように、前作のような一貫したホラー・テイストではなく、全体としては、正直、脚本も粗くて、チグハグな部分も目立ちバランスが悪い。しかし、そういった一貫性のなさが欠点とはならずに、前作とは違う、不思議なごった煮的魅力になっている。
本DVDは、VHS、LD時代のマスターではなく、新たにリマスターしたマスターを使ったもの。ある程度レストアはされているようだが、全体的に暗く、グレインも粗く目立つ画質。音声も、ノイズがあるが、製作年を考えれば良好だろう。特典には、スコット・マックイーンによるコメンタリー、ジョー・ダンテがホストを務めるメイキング"Creating The Bride of Frankenstein"(約38分)、予告編(約1分30秒)、フォト・ギャラリーが収録。怪しげなパブリック・ドメイン(権利切れ)DVDが、数社から発売されているが、映画ファンであれば、正規盤である本DVDを買うべきだろう。
ヤング・フランケンシュタイン(特別編) [DVD]
ジーン・ワイルダーとギョロ目のマーティ・フェルドマンはもはや言うまでもなく最高の笑いを提供してくれるが、脇役陣も文句無しに素晴らしい!!
何度観ても笑えるし、飽きない!
ただ、最も残念なのはやはり広川太一郎サンの吹き替えが収録されてない点だろう…
それとモノクロの映像は確かにムードがあるがカラーでも観てみたかったとも思うが…