同人ゲームである「東方」シリーズのファンブックです。
ファンブックではありますがアンソロジーコミックの類とは違い、頁数の半分は活字による読み物なので読み応えがあります。
とはいえ、随所に美麗な挿絵が挿入されているので、読むのが苦痛になることはないでしょう。
本書では、オリジナルキャラとなる伝統の幻想ブン屋 射命丸 文(しゃめいまる あや)が活躍(?)する漫画に始まり、
この文が書く記事、そしてインタビュー、という形で東方紅魔郷以降の全キャラクターが描かれていきます。
文章は全てZUN氏本人によって書かれているので、違和感を感じること無く、キャラクターの新たな一面を垣間見ることができます。
また、東方を語る際に外せない音楽についてもコラムが豊富に設けられており、楽しめました。
巻末のインタビューでZUN氏は、ゲームを作る際に「世界観」をとても大事にしている、と語っていました。
自分はそこにとても共感し、そして、とても嬉しく思いました。
自分は東方のキャラもストーリーも演出も音楽も弾幕もSTGも全部好きですが、
本当に好きなのは、それらが絡み合って生み出された東方の「世界観」でしたから。
『すでに東方を知っている人が更に深く楽しめるようなものを作りたい』
ZUN氏がそう考えて、この世に生を受けたこの本。
東方が好きな貴方にこそ是非、読んでみてもらいたいと思います。
毎度おなじみ弾幕シューティングゲームですが今回は一風変わって弾幕を“撮る”のが目的です。
主人公は幻想郷最速の射命丸文となり規定数枚の弾幕の写真を撮ればミッションクリアとなります。
撮った分の弾幕は消すことができることができます。
シーン毎で区切られてあり、1シーンは長くても数分で終わります。
今作はあくまで外伝的な立場ではありますがこの難易度はかなり高いと思います。
レベルが進むにつれ技術的な面だけでなく運の要素も必要になってきます。
ですが段階的に進めばそれなりにテクニックも身についてくるでしょう。
あと曲数自体は少ないんですがBGMはどれも秀逸です。
東方STGの第12.5弾です。外伝的な位置づけとなっており、操作方法や雰囲気が若干異なります。
今作ではサコ敵が出現し、アイテム回収したりする「道中」が存在せず、ひたすらボス戦をこなしていきます。
そのボス戦でもショットやボムの概念は存在せず、溜め撃ちが可能になるまで回避→溜め撃ちを数回当てて勝利、といった感じです。
ざっとやってみた感じですが、ひたすらボス戦で避けに徹する→溜め撃ちの繰り返しなので、
単調で、道中も含めた攻略を考える楽しさや、STGとしての爽快感があまり感じられませんでした。
あと、東方といえばBGMに定評のある作品ですが、曲数も本編に比べると大分少ないです。
厳しい意見を書いてしまいましたが、ボスラッシュのミニゲームとして考えれば値段分は充分遊べると思います。
でも東方シリーズを初プレイする人にはあまりお薦めできません。
東方風神録 ~ Mountain of Faith.[同人PCソフト]
のちに地霊殿、星蓮船、ダブルスポイラーと続く、東方新シリーズの1発目の作品です。
使える自機は霊夢、魔理沙の2人のみで各3装備ずつの計6機体。
自機のボムはこれまでの作品のスペルカードではなく霊撃と呼ばれる使い勝手のいい普通のボムで、
Power4以下からは霊撃を1発使うと自機のまわりに付いているオプションが1つ減ります(パワーダウンします)
霊夢と魔理沙でやや霊撃の出方が違うこと以外は基本同じです。
道中の敵の配置を覚えて、安定してザコを倒せれば倒せるほど、
撃てる霊撃の数にも直接関わってくるパワーアップアイテム(赤のP)がザクザクと手に入ることとなり、
道中、ボス戦と霊撃を遠慮なくガンガン使えるようになります。
この理由からボス戦はクリア重視なら比較的短期決戦で行けます。
その反面、ボスの弾幕自体は高難度で、永夜抄までの作品と比べても弾速が速いため、下手に避けに行くと霊撃の抱え落ちもしやすく、
死にたくなければ霊撃で押して行けというゲームバランスはかなり大味な感もあります。
グレイズで点を稼ぐといった上級者向けの要素も一切廃止され、新規のプレイヤーを意識した感じの作りでとにかくシンプル。
これまでの作品同様にノーマル以上の難易度でクリアするとプレイできるエクストラステージもシリーズの中では易しめです。
他の作品のエクストラがクリアできないという人でもこれはクリアしやすいのではないでしょうか?
田舎の秋をイメージしたさわやかなステージや明るい雰囲気のステージが多い中、
ショットとボムでサクっとプレイするテンポの良さが特徴でしょう。
ボスの弾幕は妖々夢や永夜抄のような色のカラフルさや派手さはないものの
ズッシリとした和風のイメージでこれがゲームの世界観とマッチしていますし、
音楽も相変わらずステージとの一体感が感じられて素晴らしいです。
ステージ道中のグラフィックも東方の作品の中でもかなり綺麗だと思います。
東方求聞史紀 ‾Perfect Memento in Strict Sense.
表紙の絵が印象に残っていたので書店で購入。
中身はZUN氏によるモノクロの絵にキャラ一人一人詳しく書かれています。全て書き下ろしです、目撃報告例がキャラの説明欄で特に良いんじゃないかなと思いました。付録として、幻楽団の新曲や壁紙を収録したCD-ROMつき。
残念なのは、カラー絵が物足りないなと感じられましたが購入して正解でした。
東方が大好きな方や絵を描くのに参考としてのご購入にお奨めです