展覧会の絵
ELPのファースト・ライヴ・アルバム。もともと発売するつもりはなかったのだが、ブートレッグ対策として発売された作品。ムソルグスキーの名曲を彼ら流に大胆にアレンジし、高い演奏技術も相まってなかなかの好アルバムとなっている。デビュー間もない彼らの溢れんばかりのエネルギーが感じ取れる。
ELP四部作+3(紙ジャケット仕様)
1977年3月リリース。既にELPのファンの方はご存じのように、メンバー各々が別々に創り上げたソロとメンバーで創った2曲による『作品集(Works)』となっている。ソロの部分でELPのメンバーがクロスして参加している部分はカール・パーマーの『L.A.ナイツ』でキース・エマーソンが参加しているだけ(ちなみにギターはジョー・ウォルシュ)という徹底ぶり。グレッグ・レイクの作品にピート・シンフィールドが作詞で参加している。
いろいろ盛り沢山だがぼくにとってこのアルバムで飛び抜けてすばらしい作品は、キース・エマーソンの『ピアノ協奏曲第1番』である。キースはクレジットに『キース・ノエル・エマーソン』と表記し、スタインウェイを使用していると記録している。なおかつオケはロンドン・フィル。力の入り方が違う。
冒頭はベーラ・バルトークのピアノ協奏曲を連想させるが、以後は随所にエマーソン節が聴かれ、かなり力作である。惜しいのはピアニストとしてのキースにこの曲の全魅力を導き出しうる技量が足らないことだ。もし、この曲をマルカンドレ・アムランが弾いたらどんなに凄いだろうと思う。
アムランにリクエストができるなら、やってもらいたい曲はこの曲である。クラシックやジャズ好きにも響く大傑作だ。
King Biscuit Flower Hour Presents In Concert
前半はオケ無しワークスツアーです。1公演する毎に1人数百万円ずつ3人で赤字補填し、とうとうスッテンテンになった悲劇のツアー
オケを解雇して3人で演奏してますが、これはこれで良い演奏です。一部ツラい所も無いではないが、オケ無しの方が返ってスッキリした迫力がある
後半はレディース&ジェントルメン(の一部)と全く同じ演奏テイクです。しかし! おそらくFM放送(キングスビスケットアワー)用に録音した別のマスターテープでしょう。グレグレのベースはオンマイクでクリアーに聴こえるし、客席マイクを低めにミキシングしてるので、残響が少なく演奏がハッキリ聴こえます
レディース&〜では埋もれて聴こえなかった音をあちこちで発見できます
両方のCDを同時に再生して比べると分かりますが、こっちは教典の第二印象のアドリブ部分が数小節カットされてます。その方が良い編集かも。テープスピードも若干こっちが速いですね
レディース&ジェントルメンのモコモコした音質に不満が有る人は絶対「買い」です
イン・コンサート(紙ジャケット仕様)
所謂、今では入手困難になったキングビスケット・ライブの別タイトルでの復刻盤だ。
曲目も編集もまんま同じで、収録時間もここに記載の55分は誤りで58分ある。
音質の向上は殆ど実感出来ないので、以前の盤を所有している人は改めて買う必要は無いと思う。放送用にしっかり録音・編集された物で音質的にはかなり良いし、日程的にもツアー終盤で演奏もこなれている点でライブ音源としては間違いなく良質の部類に入るだろう。
ELPやクリムゾンのファンからすると往年の名曲に対する安易なHR的解釈のアレンジは微妙に思えるかもしれないが、ゲイリー、グレッグのソロとしてのファンなら十分に楽しめる内容だろう。