Air Cut (Dig)
本作はEddie Jobsonのプロデビュー盤であり、カーヴドエアの最高傑作である。
興味深いことに、Eddieが参加するアルバムは、他のミュージシャンもその影響を受けてなのか、非常にハイセンスな作品に仕上がる場合が多い。エアカットも同様のことが言えるだろう。
昨年9月、実に20数年ぶりにステージに立ったその場所は、なんとロシアであった。そのとき、自身の作品をピアノとエレクトリックヴァイリンでメドレーで演奏した。その中の一曲がMetamorphosisのピアノソロであった。
本年1月のニューヨークでのEddieのバンド、UKZのコンサートでも、同じくメドレーの中の一曲として演奏された。
そして、2009年6月、Eddieにとって30年ぶりとなる日本公演においてEddieによる生の演奏が聴くことができた。本作からは演奏されなかったものの、記念すべきEddieのデビュー盤である。
本作についてのレビューはすでにすぐれたものがあり、補足的に記した。
Air Conditioning
70年発表の1st。カーヴド・エアはソーニャ・クリスティーナ(vo)、ダリル・ウェイ(vln)、フランシス・モンクマン(k,G)、フロリアン・ピルキント(Dr)、ロブ・マーティン(b)の5人によって結成されたグループであり、その後もメンバー・チェンジを繰り返しながら活動していくが、グループ解散後も様々なグループやソロで活躍していく猛者が多数揃っていた。
ソーニャの美しいというよりは力強いヴォーカルとウェイのヴァイオリンがこのグループの肝であり、この作品ではまだ荒削りではあるもののその点は十分に楽しめる。また矛盾するものの、この作品では以降に見られるようなメンバーの出番の極分化は見られず、各メンバーの見せ場が用意されているところもポイントだと思う。比較的地味なドラマーの出番やベーシストの手による単独曲もあり、バラエティにも富んでいる。全体的にはサイケデリックとブログレを行き来するかのような作品だと思う。
楽曲としてはとにかく1.が素晴しい。ブルース・ロック調の曲が突然ぶった切られてヴァイオリンが出て来るところが鳥肌もの。単に美しいのでは無く狂気じみた開放感のようなものすら感じさせる。2.はウェイのエレクトリック・ヴァイオリンによるバッキングが素晴しい曲。5.は彼らの代表曲の一つでライヴのハイライトだった。緊張感をと美しさを伴ったウェイのヴァイオリンが素晴しいが、時代を反映したかのようなノイズ・サウンドは若干聞き手を選ぶか?(私は大好き) 8.は前記のベーシストのロブの曲。ピアノをバックにウェイのヴァイオリンがソロをとるシンプルな曲だが、混然としたこの作品の中の清涼剤のような役割になっており、シンプルな故の美しさを持ったはかない佳曲である。
Lost Broadcasts [DVD] [Import]
従ってレビューもDVDとして書かせて頂きます。
演奏メンバーはセカンドアルバムのメンバーです。従ってBassはイアン エア(Ian Eyre)でダンアームストロングのクリスタルボディのBassを使っています。
収録曲は以下の6曲です。
1.Vivaldi
2.It Happen Today
3.Proposition
4.Back Street Luv
5.Back Street Luv
6.Piece of Mind
で1〜3と4〜6は収録時期が違い、そもそも4〜6はDrumsがフローリアン ピルキントン-ミクサとは違う人物が映っています(体調不調時バリー デ スーザが代役で演奏したという話があるのでスーザかもしれません)。
3.はモンクマンのシンセサイザーソロが入ったり、途中にソーニャのヴォーカルが入ったり若干展開が異なっています。
6.はダリルのヴァイオリンソロが聴けない他はオリジナルのイメージに近い演奏で、これも好印象です。
その反面、4.5.共にモンクマンのギターソロが入ったところでフェードアウトしてしまう(4.の方は中断してしまったような印象でした)し、1.のサイケデリックな背景(1stアルバムのデザインを加工したものでした)もうるさいのですが、Curved Airのライヴ映像をとらえたものは少ない(他にオランダからベルギーのTVに出演した時のファンタスマゴリアのメンバーでのライヴ映像Masters From the Vaults [DVD] [Import]もあります)ので、私はこの評価にさせて頂きますし当時の映像に興味のある方にお薦めです。
尚DVDは1枚だけです。
追記 5,6は青い背景で演奏していますが、これは背景を合成するための元映像で、これの背景を合成したものが実際の放送で使用されたものと思えます。2012年4月9日