オーケストラ! スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]
名門ボリショイ劇場の清掃人アンドレイ・フィリポフは、かつてこの劇場の天才指揮者だったわけです。
映画の冒頭、作業服姿の彼がボリショイ・オーケストラのリハーサルにあわせて、(陰で)タクトを振る場面の、ご満悦な表情を見ているだけで、この人がすごく人間的に愛すべきキャラクターなことがよく分かります。
そもそも彼が落ちぶれて、指揮者から追われてしまったのも、政治の横暴から仲間や部下を守るためのこと。不器用だけど、優しくて、高潔な、彼の人柄なわけです。
そんな彼を、パリの名門劇場で指揮者として復活させるための、一連の企みが、映画のストーリーです。まあ、この計画自体は一種の詐欺なのですが、あくまでコメディなんだし、フィリポフを慕う仲間たちに免じて、見逃してあげてください(笑)。
メラニー・ロラン演じる、人気バイオリニストとフィリポフとのエピソードも、実に感動的でした。彼女のマネージャー役がミュウ=ミュウだったので、てっきりミュウ=ミュウは昔フィリポフの恋人で、メラニーは彼の隠し子なんじゃないかと、安っぽい展開を予想していたのですが、実際はもっと清々しくて素敵なストーリーなので安心しました。
クライマックスのステージ上で、演奏をしながら、フィリポフと自分との関係を、(芸術的に)すべて理解して涙するメラニー・ロラン(役名、忘れちゃった)。この場合、説明的なセリフなど全く必要ありません。長年の彼等の想いが凝縮された演奏が、すべてを雄弁に物語っていたと思います。
私はクラシック・ファンじゃないけれど、彼等の演奏を聴いているときは、本当に至福のときでした。
ツィゴイネルワイゼン~ヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリン
超絶技巧で伝説の演奏家ハイフェッツ。
録音が52年というこもありレンジが狭く音がさびしいが同時代のフルトベングラーの録音より音がいい。
クナッパーシュブッシュとかは50年代でもいい録音が残ってるがそれと較べると昔のレコードの音。
神業とはどないなもんやと思って聴きましたがいたって平凡でひらめきやキラメキが全然感じられない。
私はどっちかというとシゲティ派なので感動しなかったのかもしれない。