マンガ サヤ取り入門の入門―スプレッド、アービトラージ、ストラドル…すべての基本はココにある! (ウィザードコミックス)
相場関連の中で数少ない実践者の本です。
実際の売買に必要な売買道具。
場帖・玉帖・資料
これら「三種の神器」が、わかり易く説明されています。
マンガ形式とはいえ、内容は本格的です。
この中の資料整備を行い、ブロック場帖を毎日つけていく。
この繰り返しが、貴方を利益を挙げ続けられる投資家に
変えていくことになるでしょう。
始めてだからこそ、この技術を学んで頂きたい。
そのための入門書として最適です。
先物市場のテクニカル分析 (ニューファイナンシャルシリーズ)
先物市場と書かれてはいるが、この本は、商品、株式、為替とジャンルを問わず、幅広く真理を突いた内容である。特にテクニカル分析について学ぼうとする者はいたずらに様々な本を手にするのではなく、この本を繰り返し精読する事をお薦めする。この本には派手さはなく、巷に溢れる最新計算式を用いた複雑な指標を提示するものでもない。むしろトレンドを様々に見分ける為の古典的とも言えるエッセンスに満ちている。それ故、押さえておかねば為らない基本事項が懇切丁寧に説明されている。また後半に書かれている、エリオット波動、タイムサイクル、マネー・マネジメントに関する章は、今までこれらの項目を曖昧に素通りしてきたトレーダー達にとっては最良の手引きになろう。
商品先物市場のしくみ (PHPビジネス新書)
著者は、商品先物会社で投資勧誘の営業を行っていた人物である。本書の目的は、商品先物市場が企業の商品価格の変動リスクを回避する役割があることを一般読者に伝えることにある。本書は、非常に基本的なことが書かれた作品である。
欲を言えば、2001年1月1日に施行された商品先物取引法に関して、もう少し突っ込んだ説明がほしかった。世界初の商品先物市場であった大阪堂島の米会所については、その成立の過程を端的に説明しており、解りやすかった。蛇足だが、その伝統を受け継いでいるという大阪の関西商品取引所が、2011年3月、農林水産省にコメ先物取引の申請を行った。今後、その行方を注目したい。
本書の中で紹介されている、いくつかの相場用語が遊郭で有名な吉原の影響を受けていることは、目から鱗である。「ザバラ」「寄付」「引け」が吉原と深い関係がある言葉だそうだ。
視点を変える。商品先物取引では、高い手数料で高齢者に対して執拗な営業活動を行い、勧誘を受けた高齢者が取引の詳細(リスク)を理解できないまま取引を行い、大きな損失を被る場合がある。訴訟事案に発展して、社会的な問題となるケースもある。これらの影響により、日本の商品先物取引の取扱量が減少したという。世界全体の商品先物の取引高は急増し、直近10年間で取引量は約5倍に膨らんだ。にもかかわらず、日本における商品先物市場の取引高は減少した。一部の業者の強引な営業活動が社会問題となり、一般投資家が商品先物市場から離れたとされている。社会問題に発展した商品先物会社の営業活動及びそれに起因する取引高の減少等につき、業界に身をおく著者の言葉を聞きたかった。しかし、これらの点については本書で全く触れられていない。本書の目的が商品先物市場の「価格変動リスクのヘッジ機能」の紹介である点は承知しているものの、現代日本の商品先物市場を取り巻く負の側面についての言及が一言あっても良い。
また、本書の改訂版が出るのであれば、次の点につき内容の充実を期待したい。本書における日本の江戸時代の先物取引の記述は興味深いかったものの、その江戸時代の商品先物市場が近代日本の商品先物市場へ脱皮した過程や世界の大きな商品先物市場の歴史等の記述が本書では不足していた。また、商品先物市場に参加する日本や世界の企業に関する解説もほしい。そして、今後日本および世界の商品取引所がどのような方向に向かうのか、将来の商品取引所に関するコメントも望みたい。(2011/6/17)