中国共産党 支配者たちの秘密の世界
スーザン・L・シャークが中国指導者の政治的立脚点、行動の動機をつまびらかにし、
中国の深層理解に大いに貢献してくれましたが、この本はそれを敷衍するものだと思われます。
前者がその動機を明らかにしたのに対し、この本は、その実現手法を明らかにしています。
中国を考えるとき、もっとも重要でもっとも影響のある要素は、何といっても13億の民と言うその数です。
ですから中国の指導者にとっての最大の懸案事項は自国民の統治なのです。
中国指導部の決定する、政治、外交、経済、軍事、文化的なあらゆる、政策、行動の根本動機がそれに基づいています。
中国の指導者は13億の民を恐れている。
それをいかに抑え込むかがすべてなのです。
この本はそれを実現している、共産党組織による独裁・管理の詳細を実例を中心に分かり易く教えてくれます。
あまたの中国に関する解説書が氾濫していますが、シャークの「中国 危うい超大国」と本書は必読の良書と思います。
分厚い本ですが読みやすく、二日で読了しました。
久しぶりに読書の満足感に浸りました。
中国大暴走 高速鉄道に乗ってわかった衝撃の事実
中国高速鉄道のトンデモ事故については、記憶もまだ新しい事柄ですが、その高速鉄道に、識者として日本一乗ってこられた著者による、ユニークなレポートです。
緊急発刊だからでしょうが、やや文章が荒く、少し読みづらさを感じはしましたが、いつもながら貴重な情報が多く、大変刺激を受けました。
注目すべき著者のお一人だとやはり思います。
「2003年から11年7月までに中国では著名富豪72人が死んだが、病死19、自殺17、他殺15、死刑14、事故死7と不気味な数字がある。財閥への嫉視もさりながら、共産党のスケープゴートとされて死刑になるのも、中国ならではの無茶苦茶な法律適用であろう」(p19)
など思わず線を引いてしまう指摘が多かったです。
この本の内容をあえて一言でいえば「大暴走を続けるトンデモ中国についての衝撃レポート」ということになるでしょうか。
中国が世界に知られたくない不都合な真実
元警視庁の北京語通訳捜査官として、密入国や不法滞在を犯した中国人を取り調べ続け、彼らの長所も危険さも隅々まで知り尽くした著者の新著である。
題名通り、
・巧妙化した不法滞在「なりすまし」
・本年7月施行の「中国人の観光ビザ融和」と、中国人観光客に主要顧客をシフトしつつある日本の観光産業の実態
・隣にいる中国人が兵士になったり、中国進出日本企業から物資や人員が徴用されるかもしれない「国防動員法」
・日本の中国人街店頭に平積みされたフリーペーパーに載っている、「違法を合法にする」不法滞在者向けのビジネス広告
・沖縄、新潟、北海道など地方から浸食を進める「日本中国化」計画
などなど、政策主張などよりもあくまで中国にとって不都合な事実を詳細に知らせる内容になっている。
尖閣諸島の問題などのようなわかりやすい日本侵略は衆目の的となるが、本書に書かれているような、日本を内部から崩壊させようとする運動についてはなかなか知りにくいものである。
本書を読み危機感を感じた方には、近くの中国雑貨店に積まれているフリーペーパーを読んで周知したり、自分が住んでいる自治体の政策に中国人に利するものが無いかどうか点検するなど、具体的な行動が求められていると感じた。
行政関係者は無論、中国人とビジネス関係にある方、中国人経営の店に出入りする方などは必読の書である。