大江戸出世小唄
「下手」です。お三味線も「あれ!」って感じだし、「磯節」なんぞは
「え!、これって何!」です(ただし、彼女は進化しております)。
ただ、表題の「大江戸出世小唄」これは、歌う時代劇スター「高田浩吉」
のフューチャーですよね。これって、女性は歌っていませんよ!このあたり
は、か細い声が生きて素晴らしい。
「俗曲」は、難しいのです。しっかり、豊後や長唄、うた沢や江戸小唄、
そして寮歌や演歌、一番難しい「地方民謡」(でも、これは彼女の声では、
力強さは無理です。むしろ、その「抒情性」を生かしてほしいのに、何故に
「磯節」 「炭坑節」「甚句」などを選んだのでしょうか?)の美しさを
追及してほしいと存じます。
大作家“ろくでなし”列伝~名作99篇で読む大人の痛みと歓び~ (ワニブックスPLUS新書)
全ての作家は、暴力、人殺し、泥棒、強盗、レイプ、放火、アルコール中毒、薬物乱用、幼児虐待、漁色、賄賂、浪費、いずれかの面で欠陥があるらしい。
その中でもトップに来るのが
『ドストエフスキー』
微温的なグループと交際して、警察に逮捕され死刑判決を受け処刑台に贈られるが土壇場で恩赦。
とばく癖もすごく、ルーレットで金をすり切符代、パン代も使いさらに友人から工面するがその金もすってしまう。
さらにすごいことやっているが、ここで書くのは遠慮する。
『川端康成』
この男もかなりの変態である。
20人の舞妓を並ばせて一言も発さず、顔をじっくり見るだけ飽きたらまた別の子というのを繰り返し、結局何もしなかったという。ある種のプライドを持っている人に対してはひどく馬鹿にした行為といえる。
『永井荷風』
自分を慕ってくれていた裏切る形で、久保田万太郎と佐藤春夫を悪口の限りを書いたものを『断腸亭日乗』歴史に残るものに記載してしまった。
久保田万太郎と佐藤春夫は犬猿の仲で有名だったのだが、永井の死後に仲良くなったという。
永井荷風は、莫大な印税で待合を経営し、寝室の壁に巧妙に覗き穴をを製作し、若い夫婦の夫婦の閨房を窃視していた。
面白い癖をもった顧客は料金を割り引いたとか。
作家というのは特殊な性癖の持ち主で、人格破綻者と相場が決まっている。
文豪の味を食べる ‾作家・落語家・芸能人・画家・音楽家が愛した店‾ (マイコミ新書)
文豪? 巨匠? はぁ? 死語でしょ、そんなん。そんな絶滅種の跡を2008年辿るってほとんど考古学者のお仕事になってるんです。巨匠達の映画(例えば)はコアな上映会でももう観ることは出来ず誰かの文章から推しはかるだけ。まして彼らの楽しんだ食事の時が今に甦るわけもなく。。。 今はほとんど「遺構」と成り果てた店にポツンと座り、あった筈の時を手繰り寄せるオカザワ氏を読者は憧れるべきでしょうか。案の定、一口食べるのがやっとの料理を前にして途方に暮れる氏を嗤うべきなのでしょうか。
「新進気鋭のイタリアン」等の所謂グルメ評論を知性において一歩も二歩も突き放す問題作。極めて良質でちょっとロマンティックな随筆ともいえるのかな