身の上話 (光文社文庫)
私たちは何気なく地味に暮らしているようで、これだけの危険をはらんだ日常のど真ん中にいるのですよ、という警告もありの、今、読むのに大変面白い小説である。文体がまた手練手管に満ちていて、読み手が軽く翻弄されていく快感も得がたい
ジャンプ [DVD]
普段通りの生活を送っていたのに、突然失踪してしまう恋人。
自分にこんなことが起きたらぞっとするなと考えて、どうしても見たくなりました。
始めは、お互いのコミュニケーションが取れていないからそういうことがおきるんだろうと思って見始めましたが、
やっぱりそうなんだという思う場面があり、
もしかして違った理由なのかと思う場面があり、
最後まで、どうしていなくなってしまったんだろうと、
ドキドキというよりも、心配になるような感じで見続けました。
見終えてみて、恋人に電話せずにはいられませんでした。
今流行の純愛とはちょっと毛並みの違った形の恋愛映画。
映画のテーマ上、1度見てしまうと2度目は楽しめないかもしれませんが、
久々に面白い邦画でした。
レンタルして見たのですが、買って手元に置こうと思います。
小説の読み書き (岩波新書)
「書き手」としての小説家が、そうそうたる十二人の大家の作品の文章を切って見せます。
普通でない文章がそこにはあるからです。それを作者が分析してゆくのですが、実はそれがその作品の作者の意図であるようだということでしょう。
作家は、何度も推敲を重ねて本を世に出しているのですから、そこに間違いがあるとは考えにくいわけです。ですから、彼らは意図的にイレギュラーな文章で、その雰囲気を作品に与えようとしているということでしょう。
この逆が、芥川龍之介の「鼻」で、まさに玄人の文章で書かれているのですが、そこには「芥川」というロゴが入っていないというのです。
いずれにしても、三島由紀夫の作品には、「。。。のような」という直喩法が頻繁に使われているとか、林芙美子や幸田文の倒置法の話とか、ここに載せられている作品の多くは実際に私も読んでいるのですが、気がつきませんでした。
「書き手」というものは、そんなところに気が行くのかと驚くと同時に、「読み手」というのは、それを作品の雰囲気として読んでしまい、そんなことには気がつかないのだろうとも思いました。
違った視点からのエッセーで非常に面白く読むことが出来ましたが、これらの作品をもう一度読んで見たい誘惑にも駆られました。
リボルバー [VHS]
鹿児島ロケが、リアルでとてもよろしい。
役者の皆さんも自然な感じでとてもグー。
いまわない鉄道の旅を満喫出来る。
最後のジュリーがタクシーの運転席で見せる
笑顔に渋さがあります。いいえいがですよぉ
身の上話
ミチルという地方都市に住む書店員の身の上話を将来ミチルと結婚することになる男の「私」
が語るというスタイルの作品です。
久太郎という彼氏がいながら取引先の妻子持ちの豊増と不倫、故郷を離れて東京に出るところ
までは恋愛小説かな?と思いながら読んでると予想外の展開が待ってる。職場の人間に頼まれ
た宝くじを余計に一枚買ったことが災いの始まりとなり1等2億円の当選金が災いを引き寄せ
ミチルの身に不幸をもたらす。大金で人生を狂わせる女の話かと思いきや、サスペンスになり
途中からとにかく予想を裏切りとんでもない方向に行く物語です。