天城越え [DVD]
加藤泰に、長年に渡り師事し、傑作「みな殺しの霊歌」の脚本も手がけた三村晴彦の、劇場用映画デビュー作。なにせ、学生時代に観たきりなので、細部のディティールは忘れてしまったが、とにかく、天城の美しい自然を背景に、陶然で哀しい物語が、しっとりと展開する。原作は松本清張のミステリーで、殺人事件も起こるが、それよりも、思春期の少年の、年上の魅力的な女性に対して抱く感情の機微が、ずっとスリリングだ。そして、この映画を語る際、絶対に忘れられないのが、幾つかの雨中のシーン。中でも、護送される時の、少年に向かって“さよなら、、、”とつぶやく田中裕子の、あのカットバックの表情は、日本映画史上に残るものだと思う。廉価版発売の機会に、また、何度もチェックし、この、美しくて、激しい、映画的な刺激に満ち溢れた傑作を堪能したい。そして、彼の師匠である加藤泰のリスペクトとして、より多くの作品のDVD化を期待したい。
We style’71-’75 フォークギターとベルボトム
それぞれ皆さん素敵です。
懐かしく思いましたが、特に、シクラメンのかほりの廣島リマさんの声に感動しました。
彼女の声はとても深い。
次作楽しみにしています。