トロペイ10-ザ・タイム・イズ・ライト
今回は “WILL YOU LOVE ME TOMORROW”( キャロル・キングの名曲)、 “LA LA MEANS I LOVE YOU” (ザ・デルフォニックス、ローラ・ニーロの大ヒット曲)でアン・サリーが極上のヴォーカルを聴かせてくれます。その美しさには心底癒されうっとりモードにはまること間違いなしです。
他にもスパイロ・ジャイラの“MORNING DANCE”、コルトレーン“GIANT STEPS”、デオダート“SUPER STRUT”などなど…全てジョン自身がこれまでレコーディングに参加してきた曲ばかり。嬉しいことに“THE CROPPER WAY”ではスティーブ・クロッパー本人も左チャンネルで登場してくれますヨ!
『STANDARD INFLUENCE』以降のジョンはS・ガッド、A・ジャクソンの強力リズム隊との息もピッタリでリスナーに油断というものを与えず時には比類なき優しい音色で、時にはひたすらスリリングな変則リズムで聴く者を至福の音空間に連れていってくれます。音数は多いのに全くうるさくなく一音一音粒立ちの良いハイレベルの演奏を聴きたい方には文句無しにオススメの一枚っす。俺の中では2007年上半期のベストはこれで決まりました。
ソング・フォー・ユー~ラヴ・ソングス・オン・チェロ2
古川展生は、25歳で東京都交響楽団の首席チェリストに就任したという実力の持ち主ですが、クラシックの世界だけでなく、様々な音楽ジャンルへの挑戦者として高く評価しています。
このCDは、世界中で愛されたポップスを彼の魅力あるチェロで演奏したものです。普通、クラシックの奏者がポップスに関わると大抵上手くいきませんが、このアルバムは手放しで評価します。多様な音楽ジャンルに挑戦してきた彼の豊かな音楽経験が、演奏に際し一番大切な豊かな歌心として伝わってきます。
選曲は抜群でした。1970年から80年前後にかけて、日本人に親しまれた洋楽と言われるポップスの名曲の集大成です。丸山和範や宮野幸子のアレンジも上品で、違和感なく美しい世界へと入っていけました。
イージー・リスニングのように感じるかもしれませんが、メロディを弾く古川展生のセンスの良さと奏でられる音の魅力が全てを凌駕しているように思いました。
曲目は掲載してありますので省略しますが、プレスリーに始まり、ジョン・レノン、サイモン&ガーファンクル、レオン・ラッセル、エルトン・ジョン、ビージーズ、ギルバート・オサリバン、ボズ・スキャッグスと、綺羅星の如く、世界を魅了してきたアーティストの傑作が並んでいます。
ジャケットにあるように、音楽家というよりアスリートやモデルといったルックスも彼の魅力に繋がっているでしょう。
チェロによるバラード集です。芳醇なチェロの響きに身を委ねると普段の疲れが取れる思いです。