リスト:ピアノ作品集
ボレット(ホルヘ)の演奏は繊細で丁寧で、ピアノ学習者なら一度はお手本にさせたい名演です。個人的にシフラのクセのある演奏も好きですが、聞き飽きたらボレットでしょうか。
超絶技巧むき出しのリストの音楽とは違った一面が見えてきます。
どこかで聴いたクラシック ピアノ・ベスト101
選曲も、聞いたことのある曲が多く、ベストCDである。音質もよく、演奏者も有名そうである。一部に短くカットされた曲もあるが、気に入ったベストCDだ。ただ、"乙女の祈り"が短かった(約3分)ので星4つ。
ボレットの遺産/リスト&ショパン・リサイタル [DVD]
19世紀式ロマン的な演奏をする最後の巨匠といわれる、ホルヘ・ボレットのショパンのバラード1番4番とノクターンの2曲および、リストのペトラルカのソネット第104番と第123番および第二年補遺「ヴェネツィアとナポリ」より3曲が収められている。
とはいえ、そもそもロマン的な演奏ということに対してわれわれは誤解しているのではないかということを認識させてくれる演奏である。
もちろんいい演奏である。しかし、この場合のロマン的な演奏というのは、19世紀後半から20世紀中ごろくらいまでに活躍した演奏家たちの系譜を継ぐ、という意味である。そして、それらの巨匠たちの演奏は、過度な虚飾を排した形式的にすっきりと収まった上品な演奏であるという印象が残る。これは、人間の内奥に迫りたいと思う方には少々物足りなさが残るかもしれない。
ボレットの演奏は、ディナーミックは幅広いが、さらさらした印象を受けるかもしれない。ギーゼキングほどではないにしても。しかし、そこがショパンとリストにおいては、逆に好感がもてるのである。上品な中にも、幅と深さがあるのがチャームポイントだ。
星を4つとしたのは、使用ピアノが、ボレット愛用のボールドウィン、実質は、ベヒシュタインだったといわれている、ピアノではなく、スタインウェイピアノである点である。楽器の音色で、曲の印象表現の印象が変化するので、このへんを知ることができないので満点にできなかった。
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良くまとまった感じではないだろか? 基本的な演奏解釈は。
巧くまとまっている。しかし、もう少し何かが欲しいと言ったところだろうか?
少し物足りない感じがする。
最後のリストの直系の弟子のボレット。やはり年には勝てぬと言った感じもする。
リストは巧くまとめているが、ショパンに関してはやや疑問。
技巧的な演奏をしているが、現在もっと技巧的なピアニストが多く存在する現実。やや不足さが隠せない。
リストの表現解釈に重点を置いて聴いてください。これは勉強になります。