EA BEST HITS ぼくは航空管制官 エアポートヒーロー 那覇
※PC版のプレイ経験はありません。あくまでPSP版のみを元に評価しています。
流石にPSP版最初の作品だけあり、システムやバランスに関して、
後の作品と比較するとちょっと荒削りな点が見えます。
そのままでは明らかに空中接触するしかない間隔で飛来する航空機、
風向きによって使用の可否がコロコロと変わっていく滑走路のコンディション、
そういう仕様なのだと言ってしまえばそれまでですが、それが難易度を上げているのは事実です。
システム面で辛いのは「タキシング停止」の指示を出せる状況に制限があること。
那覇や新千歳であれば、他機とぶつかる可能性のある間違った指示を出してしまった場合でも、
ストレスゲージが上昇するのを覚悟の上で強制的に停止指示を出す事が常に出来るのですが、
成田ではその指示を出せるタイミングがやや限定されており、タキシング中の機体を途中停止させられない事態がままあります。
タキシングを許可してハンドオフを済ませて、あ、このままでは他の機体とぶつかる、と気付いてからでは後の祭り。
もともと地上の移動距離が長大になる空港のため、そのまま進めたら事故になるのかどうかという見極めが他の空港より難しく、
その上でのこの仕様は結構シビアです。那覇や新千歳なら、タキシング停止を封じ手にされたとしてもまだ痛くは無いのですが。
いま出した指示のタイミングで安全なのか駄目なのか、結果が形になるまで悶々と待たされるケースも結構あります。
それから那覇以降と異なり、指示待ち中の便に付く「!」マークが時間経過で変色するという機能がありません。
そのため、その機体をどれだけ待たせておけるのか、勘と経験が全てになります。
舞台となる成田空港は、広大な敷地を持ちつつも、駐機スポットの数を考えると微妙に余裕のないレイアウト。
空港の生い立ちを考えれば致し方ないのですが、細切れで未完成の短い滑走路、湾曲した複雑な誘導路など
地上管制に関する障害が多く、上空の機体よりも地上の機体をどう捌くかが焦点となります。
その地上管制はランプ管制とグランド管制に分かれており、管制チャンネルは他より一つ多い計6つ。
地上を移動する機体は、タキシングルートによってこの二つの管制チャンネルの間を何度も往復する事になります。
ハンドオフ先で出すべき指示がない場合、ハンドオフ後にはこちらの指示を待つことなく勝手に交信を続けてしまうので、
たった一機の通信が二つのチャンネルに渡って長々と続く場合もあり、これも地上管制の難易度上昇に一役買っています。
二作目以降と比べると、全体的に少々やりづらい感は拭えません。
PSPで初めて「ぼく管」に手を出そうという人は、那覇や新千歳で自信を付けてからのほうが無難ではないでしょうか。
登場する航空会社は、全て架空です。
赤いのは「ジャパン航空」、青いのは「全日本航空」。
また、国際空港の成田らしく、じつに様々な国の航空会社の便が飛来するので、見た目には楽しいです。
旅客便がほとんどですが、貨物便もやって来ます。もちろん、すべてオリジナルの航空会社です。
このソフトは、PSストアでDL販売も開始されています。
UMD版は嫌だという人はそちらでもいいと思いますが、ソフト同梱の取扱説明書にはこの空港の全体図が記載されており、
それぞれの滑走路の名前や番号などがすべて一目でわかるようになっています。
手元に置いて見ながらプレイできるので、慣れないうちは便利だと思います。
特に成田の場合、駐機スポットが国内線専用・国際線専用・国内線国際線兼用の三種類に分かれていて、
どのスポットがどれだか頭に入っていないと到着機を誤誘導してしまう可能性があるため、
空港の構造に不慣れなあいだは手元に地図を持っておけると重宝します。