ギルバート・グレイプ [DVD]
ジョン・C・ライリーが勤めるハンバーガ屋がオープンしたときにブラスバンドが演奏した曲名は「this magic moment」(この素晴らしい瞬間)。ボクの好きなDriftersの歌だけど、まさに歌の題名どおり人生の素晴らしい瞬間を凝縮した映画だと思う。
出会いがあり、別れがあり、人を好きになり、好きな人に嫉妬したり、、、人生には退屈な時間もあれば、転機もある。そのとき人は泣いたり、怒ったり、悲しんだり、喜んだり、むかついたり、恨んだりするが、そんな様様な感情をこの映画で自分もいっしょに共感することが出来た。
人生の価値や、日常の出来事の価値は、そのときのその人の感情が決めることだ。長男ギルバートの人生を、大変だ、かわいそうと同情する意見がたくさんあったけれど、勿論大変だとは思うけど、しかしボクの目にはそれよりも、家族愛に満ちた素晴らしく充実した人生を送っているように映った。
人は何のために生きるのか?
死ぬまで出ないような壮大な問いに対する答えを探すヒントを与えてくれる映画だろう。その答えはきっとこの映画の中にあるけれど、見る人、見るときによってみな違う答えを見つけてくるではないかと思う。
この映画の主役はもちろんギルバート役のジョニー・デップ。そしてヒロインはジュリエット・ルイス。二人とも非常に良かった。USオリジナルのポスターや、スクリーンプレイの表紙のポスターにはこの二人しか描かれていないが、弟アニーを演じるレオナルド・ディカプリオの演技がいちばん絶賛されたし、ボクもアーニーが一番大好きだ。神業ともいえるかの彼の演技もこの映画の見所です。
ギルバート・グレイプ(日本語吹替版) [VHS]
米国アイオワ州田園地帯の田舎町。父親は自殺し、母親は病的肥満、弟は知的障害者、と重くて深い問題を抱える家族。
これをひとり背負う青年ギルバートの、むなしさと、生活の疲労の色の濃い日常。ジョニー・デップが淡々と、素晴らしい演技をみせる。若い時代の作品なのに、性格俳優の趣すら、ある。知的障害者の弟のほうも、ディカプリオが実に巧みにこれを演じている。
やがてかれらの物語は、旅の途中、この町にふってきたような”女神”によって急展開する。。。若き日のジュリエット・ルイス演じる天真らんまんで、心美しきヒロイン。彼女もこの映画で最高の演技ではないかとおもいます。
家族愛と、そして人生の旅立ちを静かに語る、90年代の米国映画が残した珠玉のヒューマンドラマ。
「いい人間になりたい」という主人公のせりふが心の奥底に残る。静かなる名作中の名作です。
ギルバート・グレイプ(字幕スーパー版) [VHS]
こっちまで息苦しくなるようなギルバートのつらさを、淡々と大げさにすることなく演じたジョニー・デップ。
多分彼のなかで最高の演技である、脳に障害を持った弟アーニーを演じたレオナルド・ディカプリオ。
さわやかな風のような少女ベッキーも、ジュリエット・ルイス以外には考えられない。
全ての登場人物が、たまらなくいとおしい。
ヒューマンドラマでこれ以上の作品にはいまだにお目にかかれない。本当に素晴らしい映画。ただのいい話じゃないんです。
人の心のきれいなところだけじゃなく、残酷さや、ふとしたことで湧き上がってしまう毒もさりげなく描かれている。
全てが劇的に変化したり、うまくいったりする夢物語じゃなくて、現実的なもどかしさのある、地に足のついたお話。
だからこそ、最高に美しい映画になったんだと思います。
What's Eating Gilbert Grape(映画『ギルバート・グレイプ』原作)
抜け出せない、なにか運命のようなものに捕われて日々を過ごしていると思っていたわたしにとってこの本は大変共感できる、勇気を与えてくれた一冊でした。 人間には本当は何者にも捕われず、自分のために生きていける瞬間が必ずやってくると思えます。 実際、きっとそのとおりで今わたしがこうしてレビューを書いているのも、確信が持てたからです。 自分だけじゃなく皆がしがらみを抱えて、精一杯輝こう、羽ばたこうとしてるんだってきっと思える一冊です。 洋書に挑戦したいと思っている人にも分かりやすく、とっつきやすい本だと思います。
ギルバート・グレイプ [DVD]
退屈な日常が延々と続く田舎町から24年間出たことがなく、家族の面倒を見る義務感から自分の人生をあきらめかけていたギルバートの旅立ちを、ハッとするほどさわやかに描いてみせたハルストレム監督の手腕と、原作者でもあるP・ヘッジスの脚本に脱帽させられる。
際限なく太り続けることで人生を放棄した母親の存在をはじめ、ギルバートにのしかかる重圧の数々を、真実味を持たせつつも詩的なセリフと演出のおかげで、一風変わった輝きを放つ愛すべき作品に仕上がっている。
役者陣一同の好演も絶妙なハーモニーを奏で、作品に厚みを持たせている。特に、ひときわ目を引く難役に挑戦したディカプリオに対して、”静”の演技で個性の強い共演者を引き立てたJ・デップの功績は大。出演者全員が大芝居!を繰り広げなくても素晴らしいドラマが出来上がるということを見事に証明した作品だ。