ジャズ・ホーン/マイケル・ブレッカー特集号ジャズ、ロック、ファンク-すべての音楽ファンのための
某誌と違い、古くからマイケル・ブレッカーに注目し、日本のジャズファンに紹介してきたジャズライフ誌。 それゆえ、『特集号』と聞いてかなり期待してました。が、マイケル・ブレッカー以外の記事も多く、内容もあまり濃くなかったのが残念。 インタビュー記事の再掲載もあったけど、いっそのこと全てのインタビューを掲載してほしかった。 ピーター・アースキンのコメントには涙しました…
マイケル・ブレッカー
1986年12月リリース。ブレッカーの記念すべき第1作目のリーダー作。録音はニューヨークのパワー・ステーション・スタジオと明記があるのでスタジオで録り貯めたのだろう。初めからパーソナルは最高で、マイケル・ブレッカー(ts・EWI)、ジャック・ディジョネット(ds)、チャーリー・ヘイデン(b)、パット・メセニー(g)・・・・と、ここまでは『80/81』と同じ面子・・・・、ケニー・カークランド(p)、である。これ以上望めない布陣の上に、マイク・スターンが2曲の曲供給までしている。恐るべき豪華さ。全米ジャズ・チャート19週連続1位も当然だろう。
ブレッカーがこのアルバムで試したかったのが、EWIだったのが随所に出ている。EWIは初め、STEINER HORNとしてナイル・スタイナーによって手作りされたもので、後に日本のAkai(今は潰れてもう無いが・・・)が基礎基盤から改善して創り上げられたもので、専用音源EWV2000との組み合わせで使われていたが、MIDI対応となり、YAMAHA TX7やオーバーハイム・エキスパンダーと連結し、このアルバムでは使われている。聴いていると後々のパット・メセニーのギター・サウンドにも影響を与えている気がしてならない。
ブレッカーのやりたかった音を最高の面子が支えるカタチのアルバムになっていて、随所で唸ってしまう。しかもレーベルはブレッカーの敬愛するコルトレーンと同じインパルス。1,000を超えると言われるアルバム参加が培った人脈の中で、満面の笑みでセルマーのサックスを抱くブレッカーの姿が全てを物語る傑作だ。
ニアネス・オブ・ユー:ザ・バラード・ブック
このアルバムやっぱりマイケルですね。 ミュージシャンてやっぱり美しいメロディが好きで、 そのメロをどう自分なりに解釈して歌うかってことは 音楽に向かい合う自分を確認する一つの手段なんじゃないかと思います。 そういった音楽家の持っている性、マイケル流の味がよく出ているアルバムじゃないかと思います。
僕がマイケルを意識するようになったのは、マイケル・フランクスのスリーピングジプシーを聞いてからです。 曲の雰囲気をどう租借して、どんなメロディを乗せるのか? マイケルはそういったことがよく解っているミュージシャンじゃないかと思います。
そういった意味で、今回2曲ジェームス・テーラーが歌っていますが(僕はけっしてジェームスの声質がジャズだとは思いませんが・・・)マイケル吹きっぱなしよりイイと感じてしまいます。 全曲saxよりも曲のイメージがソロに凝縮しているからでしょうか?
そして、ソロに回るバックミュージシャン達もまた歌いまくってます。パット・メセニー最高ですよね。
マイケルはコルトレーンのバラッド意識したらしいですけど、アルバムを聞くとよく解りますよね。
ライヴ・イン・東京 1986 [DVD]
名義はエリック・クアラプトンですが、フィル・コリンズが楽しめますよ。
クリーム時代の曲では、ジンジャー・ベイカーばりのドラムが聴けます。
バスドラのドコドコ感は負けますが、十分に楽しめます。
ジェネシスでは、ボーカリストとしての比重が大きいですが、ドラマーとしては超一流であるのがよくわかります。
クラプトンさん、エレキでもカポつけるんですね。
聖地への旅
おそらく本人も、メンバーも、これが遺作になるだろうということはわかっていたのでしょうね。最後に力を振り絞って、というときに最も敬愛するコルトレーンに自然に近づいてしまったのかも知れません。合掌。
そういうことは置いておいても、大傑作だと思います。やっぱりメセニーとブラッドメルドーは相性が良いですし、ハンコックもつぼを押さえてます。メセニーとケニーギャレットのコルトレーンカバー集を思い出しましたが、メセニーはあそこまでフロントに出ていません。やっぱりマイケルブレッカーを支えて、という形になっています。それが、作品として良い結果を生んだと思います。