中間管理職刑事 (バンブーコミックス)
ついに出ました!伝説の名作「中間管理職刑事」が単行本化!どれほど随喜したことか・・・
「太陽にほえろ!」や「特捜最前線」などの刑事ドラマ全盛期に育った私には堪えられない楽しさと親しみがある。もっとも,この作品は某外国ものの刑事が原型だとのことであるが・・・
「中間管理職」という言葉が醸し出す哀歓がさりげなく漂っており,部下のメガネ刑事のボケと警部のツッコミが,実にテンポよく,絶妙である。
また,個人的には探偵ベティの相棒である,ドジな女助手の娘がかわいくて,これまたものすごいボケをかましてくれて大いに笑える。
これぞ,秋月りす先生の最高傑作であると思っている。
OL進化論(33) (ワイドKC)
20年以上も続いている「OL進化論」だが、カバー見返しで著者が語っているように、OLは死語になっているのかもしれない。でも、まあそれは、派出所という言葉が使われなくなっていることと同じように、それでもタイトルは変わらないということでいい。
ただ、そういうこととは別に、あらためて時間の流れを感じる一冊となっている。
まず、「35歳で独身で」が少なくなっていること。もう、35歳で独身というのは、めずらしい存在ではなくなってしまったのだろう。
それ以上に、登場人物の年収が低いことだ。年収300万円なくて結婚できなかったり、共稼ぎ前提だったりということが語られる。笑ってすませるわけにもいかない、現実が反映されてしまっている。ほんと、ちょっと顔をひきつらせながら楽しんだというのが、正直なところだ。
あらためて、33冊を読み返すと、バブル崩壊後の日本がどのように変わってきたのか、貴重な証言にもなっている。そのことをあらためて感じさせてくれる、その意味で、33巻を評価することにしたい。
おうちがいちばん ⑥ (バンブーコミックス)
OL進化論では世の中の眼に見えない法則を鋭く見つけ出すネタを
繰り出す秋月りすだが、おうちがいちばんではその鋭さはだいぶ
緩和されてほんわかファミリー4コマというのがおおまかな印象だった。
今巻も基本的にはその印象は変わらないが、今までも頻発していた
課長の姑ネタが洒落にならないレベルの確執だったと判明。
せいぜいイヤミを言われるくらいなのかと思っていたら、
アレルギーとわかっている(思い込んでいる)ものをわざわざ選んで
お中元で送られる程だったとは…。
他のネタがほのぼのだけに、このネタだけ読んだ時背筋が寒くなった。
また、主人公の妹がなんでもできるのに便利に使われるだけというネタも
「ああ・・・世の中こういうもんだよな・・・」と思わず寂寥に
囚われてしまった。
やはり、秋月りすは見た目のほのぼのの中に潜む鋭い刃が本質なのだと
再確認する1冊だった。