ゾマホン、大いに泣く―みなさま心よりありがとう
前作に引き続き、読ませていただきましたが、
こちらの方が、読むのはずっと精神的に楽だという気がしました。
何故なら、厳しい子供時代や学生時代、来日してからの生活、
そういったことが大半の前作に比べ、
こちらは、既に彼の成功も知っており、
彼の夢が具体的に形となっていく希望に溢れたレポートだからです。
ゾマホンの本を読むと、どの人も、応援せずにはいられない!!!
という気にさせられますが、そこでまた、ゾマホンの態度や行動が、
頑固なまでに徹底していて、イカしています。
今年は大震災に遭遇し、多くの日本人が援助ということを行動で表現しました。しかしながら、緊急時を過ぎ、現在は、本当の援助とは?支援とは?という新たな論議も起こっています。
その問いに対するヒントになる本でもあると思います。
彼の本がもっと読みたいです。
今後も、彼のことばで、アフリカの知恵や思想を語り続けて欲しいです。
ゾマホンのほん
「み,見抜かれてるっ・・・」
彼の語学力には脱帽します。いや、数値的・技術的なものではなく、その人の「心」まで汲み取って発言している。言葉の選び方が「並」じゃない。言葉の持つ真の意味まで理解した上で喋ってる。日本人以上に日本語を理解している。まるで「言霊(コトダマ)」まで読み取っているかのよう。人の発する魂から見抜いているような気がします。一つ一つに対する洞察力が並ではない。心の奥を見抜いている。彼の前では嘘・偽りは通じないでしょうね。
彼が最初、中国に興味を持ち、半ば招待される形で行ってはみたものの、その夢と現実のギャップに驚かされ(ガッカリして)、ついでに日本へ来てみたら「アラ、いいとこ・・・」と感心した。日本の良いところ悪いところが書かれてある。
彼はとにかく日本の歴史に感心を示している。特に江戸時代の日本人には大変感心したらしい。「もっと日本人は江戸時代の人達に学びなさい。」と。日本人より日本の事を知っている。今、こういった外国人がとても多い。日本人としてツクヅク反省させられます。外国人から言われないと気付かない日本の良さや悪いところ。
しかしこの本の凄いところはどんな歴史解説の本や情勢分析の本と比べても全く見劣りしない,イヤ,優れていると言ってもいい内容となっています。内容が平易だから子供達にとても良い本だと思う。簡単な事だが,とても大切な事を彼は言っている。
日本人が嘗て持っていたもの・・・失ったもの・・・アフリカの実情と歴史・・・それを搾取しつづけてきた欧米の所業の数々・・・それを打ち破ってきた日本の(特に明治以降,その蓄積は江戸時代)凄さ・・・などなど、日本人には「目から鱗」といったような,ナカナカ気付かない事をゾマホンは上手く言っている。彼は言う「教育はとても大切です。」と。だから学校を私費で建てようとしているのだ。志のとても高い人だ。
ゾマホンも知らないゾマホンの国―ベナン共和国イフェ日本語学校の今
ベナンについて知りたくて読んだ1冊。
内容はゾマホンさんが作った日本語学校にて日本語教師をしていた小国さんのエッセイ。構成は、小国さんのエッセイに対して各章ごとにゾマホンさんの感想、ベナンのまめ知識が書かれている。
正直、小国さんの文に読みづらさを感じることもあったが、まだ行ったことのないベナンという国の空気が伝わってくる文だった。また、嫌になりそうな文化・風習にたいしても温かい眼差しを向けており、小国さんの人柄の良さが伝わってくる。
一方で、ハチャメチャな日本語のゾマホンさんの文はベナン人、日本人、西洋人に対しても批判的。この辛辣さがあるからあそこまでの活動ができるのだろう。このクリティカルな発想が彼のエネルギーの源だなと強く感じた。語学力は置いといて、ぜひ駐日ベナン大使就任後の彼の活躍にも期待したくなった。