The Grimoire of Marisa(グリモワール オブ マリサ) (DNAメディアブックス)
まず内容ですが、今までの本が東方の「世界観」の設定資料集だったのに対してこちらはゲームそのものの資料といえるでしょうか。世界観や設定よりもゲームの弾幕に見とれシビれてしまう人向けでしょうね。私は後者なので東方関連の書籍では一番満足度が高かったです。
弾幕のネーミングの由来や魔理沙のツッコミが面白いし、相変わらず付属CDの音楽は素晴らしいので買って損することは無いと思います。ただ、あまりゲーム本編を遊ばない東方ファンには意味がないかもしれませんね。不満をいえば、表紙のイラストと中のイラストの雰囲気が違いすぎることくらいでしょうか。
あと本書は中の紙がすっげーいい匂いがするんですよ。木…木くず?みたいな匂い。買ってしばらくの間私はクンカクンカ匂いを嗅いで楽しんでいました。これはいいですね、こういう紙なんでしょうか?
東方projectのオリジナリティである「スペルカード」。
要するにSTGのボスの攻撃に「技の名前」を付けただけのノーミスノーボムのスコアボーナス。
ですが東方という作品の根源を成している設定であるのも確かなのです。
これはそのスペルカードの一部に、主人公の霧雨魔理沙がコメントするだけの書籍です。
ですが、それが軽く読み直す事が出来て実に面白い。
原作STGの攻略本としては使えません。
原作者のあとがきでも「攻略サイトの方が役に立つ」という身も蓋もない事が仰られてます。
ではキャラ設定集としてはどうか。
これもどちらかといえば「求聞史紀」の方がそれらしい気がします。
あくまで一部のスペルカードに対して魔理沙が洒落たコメントを付けるだけです。
それだけの本が面白いのか、と言うと面白いんですよね。洒落が効いてて。
東方の洒落を楽しめる人、スペルカードという東方が開発した発想に興味がある人向けの書籍です。
追記
「演劇タイプ」や「バグタイプ」「ストレスタイプ」などの分類はこの書籍で始めて魔理沙が付けた物です。
攻略に役に立つとも限りません。ですが意味はある。
そういった意味を自分なりに噛み砕いて行くには役に立つ本でしょう。