昔と変わらない歌声やバラードから「氷の世界」へうつって観客が立ち上がる姿、高校時代に本人が初めて作詞・作曲した曲を披露する場面、そして最後の井上陽水らしい感謝の言葉など、ノーカットで収録されたDVD。
青春時代を思い出すことは間違いないが、今風にアレンジされているものもあるので若い世代の人たちも見てみると面白いのではないかと思う。
私が思うに、どんなに時代が変わろうとも、結局はここに戻ってくる、というものを井上陽水は数多くつくりだしてきたのだと思う。
だからこそ、どんな世代の人にも、どんな人にも見る価値がある1つの作品であると思う。
別冊カドカワ 総力特集 井上陽水 カドカワムック 62483-33 (カドカワムック 330)
以前、井上陽水さんの武道館ライブに参加しました。
とても素晴らしいステージングだったのですが、陽水さんのこんなルーツ本が出版されていたんですね!
見落とすところでした笑
ライブを収録したDVDもとても素晴らしかったので、今度はこの本を読みつつもう1回見てみようと思いまーす!
軽くて深い 井上陽水の言葉
結論から言おう。
この本に書かれていることこそ、軽くて深い。
いやいや、陽水の音楽・歌詞というよりも、「井上陽水」という
人間性の魅力をもとに、本当の大人とはどういうことなのか、大
人の心得るべき品性・知性について書かれている本。
しかし、哲学書や説教本では決してない。
井上陽水をあまり知らない人や、あの独特の風貌に誤解を持って
いる人は、この本から井上陽水という人物や音楽に興味をもつか
もしれない。
私なりの陽水像が勝手にでき上がっているけども、著者である齋
藤さんの陽水像に大きく頷けるところが多くてビックリです。
やはり、わかっている人はわかっているのだなぁと。
蛇足だが、超訳 ニーチェの言葉も同時に読んでみると面白
いかもしれない。
本でも触れているが、私も陽水は日本音楽界のニーチェと思うから。
読み終えて、陽水はもちろんのこと、著者の齋藤さんにも好感をもてた。
氷の世界
1973年3月の発売ですから、フォークブームの絶頂の頃です。
日本のレコード史上で始めてミリオンセラーを打ちたてたアルバムでした。確かに名曲揃いですね。今聴いても古さを全く感じさせないアルバムです。
レコードを必死になって聴いたせいで、収録曲のほとんどを30年経った今でも歌うことができます。若い頃、楽譜を買って一生懸命練習した賜物かもしれません。
星勝のアレンジが冴え渡る「帰れない二人」の伸びやかな高音は、ハッとするほど惹き込まれる魅力を内在していました。「心もよう」や「小春おばさん」のようなどこかセンチメンタルな気団に浸る曲は、陽水の真骨頂だったように思います。そして「氷の世界」のスピード感溢れる曲と少しシュールな詩の取り合わせが、印象的でしたね。
7曲目の「自己嫌悪」は、その歌詞に使われている言葉によって、制作会社がひととき自主規制をしたため、聴けなくなっていました。差別を生み出す土壌は問題ですが、芸術作品における「言葉狩り」は、表現の幅を狭くする恐れがあります。このCDでは、発売当初同様、全てを聴くことができるようになって幸いですが・・・。
「白い一日」の小椋佳と陽水の歌いまわしの違いが当時とても新鮮でした。どちらの声も魅力的ですが、内面の淋しさを声にのせられると言う意味で貴重な歌手ですね。その魅力的な声は、30年経ってもちっとも衰えていないのが不思議です。
これだけ個性溢れる曲がつまっているアルバムはないでしょうね。「永遠の名作アルバム」でしょう。
40th Special Thanks Live in 武道館 [DVD]
このツアーの最終日を博多で観た。陽水を観るのは大学生以来、25年ぶりか。出だしの曲、新しいラプソディー、を聞いた途端に当時にフラッシュバック。博多当地の、能古島の片思い、では涙がとうとうと流れた。そして、氷の世界。陽水がほえる、うたう、さけぶ。そして、ハーモニカを吹く。当時見た陽水とまったく変わらない。いや、それ以上の、圧倒的な迫力であった。62歳でなぜ、あそこまで、そう思うと、感動で心がとまる、そして涙がまた流れる。
個人的な感想ばかりで申し訳ないが、このような思いを、呼び覚ましてくれる、すばらしいDVDだ。来年で僕も50歳。陽水のように、前に進んで行きたい。62歳で氷の世界が歌えるように。頑張っていこう。陽水さん、本当にありがとうございます。