パブ・ロック革命―ニック・ロウ/エルヴィス・コステロ/ドクター・フィールグッドらのロックンロール・デイズ
パブ・ロックに嵌ったことのある人だったら、間違いなく感動できます。そして、数多くの新たな発見があるでしょう。スティッフを中心としたアーティストから裏方の人々まで、生き生きとした人間ドラマが繰り広げられます。
僕が新鮮に感じたのはデイヴ・エドモンズのキャラクター。彼はその音楽だけ聴けば、完全なロックンロール親父(ま、この本では青年として登場しますが)。しかしここでは、シャイで人見知りで交際下手で見栄っぱりなレコーディングオタクとして、スティッフの面々と初対面を果たします。彼が軽く試し斬りしたプロデュースマジックによって華麗に変身した自分たちの曲を聴いて「すげ~」と、あっけにとられるニック・ロウらブリンズリーのメンバー。「騙されるな、こんなのはリアルじゃない!」と焼餅を焼くデイヴ・ロビンソン。我関せず、と今日もラリってヘロヘロになりながら女の子を口説くドラマーのビル・ランキン(おい!)。いや~楽しい。
こんな素晴らしい本が出てるなんて知らなかった。勧めてくれたアマゾンに大感謝です。
ベスト・オブ・エルヴィス・コステロ~ファースト 10イヤーズ
SHM-CDのせいかサウンドに切れがあります。エルヴィスはベストやオリジナルを全部というほど持っているのですが本当に音が良いです。選曲も懐かしいものです。輸入盤で出てるの知らなかったのですがこちらは歌詞カードもついており、買って得をした感じです。音がさすがのSHM-CDです!
全回演奏される曲の数は、3、4曲前後です。ですので、見どころは、トークです。すべてとても興味深かったです。もちろんやはり、コステロが雄弁で、饒舌なので、飽きません。しかし、スモーキー・ロビンソンが人種に対する差別、偏見が不当であることを力説するくだりでは、すべてを察して黙ってそれを聴いているコステロの表情がいちばんかっこよかったです。内容を楽しめれば楽しめるほど、視聴後、調べて、各出演者のCDを買いたくなります。コステロはそういう仕事をしています。再生機器だけではなく、それなりのお金を用意して見てください。
ただし、残念なことがひとつ。字幕は、おそらく「ゴスペル・ソング」を「聖歌」と訳すなど、最近の日本の音楽ジャーナルの訳語、術語を知らない人間によって制作されています。その点、日本語字幕だけではなく、英語字幕もつけてほしかったですね。よって、星一つ分減点。
7以降は、7ルーファス・ウェインライト、8ジェイコブ・ディラン、ジェニー・ルイス、シー&ヒム、9ダイアナ・クラール、エルトン・ジョン、10ハービー・ハンコック、11ロザンヌ・キャッシュ、ノラ・ジョーンズ、クリス・クリストファーソン、ジョン・メレンキャップ、12ジェイムス・テイラー、13ルネ・フレミング。50分のインタヴュー(コステロ、エルトン、スティング、ルーファス、キャッシュ、スモーキー)。4曲のボーナス曲。8で自分の伴侶・ダイアナ・クラールがメインになる回だけは、職権乱用を防ぐため、エルトン・ジョンが司会を代行します。
ヴェリー・ベスト・オブ・エルヴィス・コステロ [DVD]
「もちろん日本製のプレイヤーで見られるのが長所」とぼくが言うのは、こういうことです。つまり、最近は、輸入盤でも、リージョナル・コードがオールに設定されている、つまり日本製のプレイヤーでも試聴可能なものが多い。でも、コステロのDVD作品の輸入盤は、ほぼリージョナル・コードが1に設定されているので、リージョナル・コードが2に設定されている日本製のプレイヤーでは試聴不可能なのです。この点に、コステロのDVD作品に関しては、日本のファンは必ず日本盤を買わなくてはならない理由があります。字幕は、日本語のほか、英語もあり。
ポリスのDVD作品と似た感じのするプロモ・ヴィデオ集/本編(約89分)では、コステロ自身によるコメンタリーをつけることが可能です。自分自身の姿に向かって「誰だ、こいつ」、「このダンスはダサい」とコメントするなど、コステロの歌詞の世界同様、皮肉と諷刺が利いているほか、当時のヴィデオ演出に関する批評、考察も聞かせてくれます。
ボーナス映像(約66分)は、コステロのテレビ初出演を含めて、1977〜83年までのテレビ・スタジオ、小さなライヴ・ハウス、そして野外フェスティヴァルでの七つのパフォーマンスを収めたものです。このボーナス映像には、コメンタリーがありません。しかし、コステロ自身の筆による2500語に及ぶ英文ライナーで、各ボーナス映像について詳しく解説されています。もちろん日本語対訳つきです。
ライナーでコステロ自身が予告するところによると、いずれ、アメリカ、日本のテレビ局に残っている膨大な映像もDVDにまとめたいそうです。しかし、この作品だけでも、初期コステロを初めて包括的にとらえ、整理したDVD作品になっています。コステロ・ファンと言わず、ロック・ファンにとって必見の作品と言えるでしょう。
ベスト・オブ・エルヴィス・コステロ
LPは結構持っているのですがプレーヤーがなくて、聴けない状態でした。最近あちらこちらでコステロの名前が聞かれるので、我慢できなくなって買った1枚です。ベストだけあって、好きな曲がぎゅっとつまってて大満足です。“She”が好きで聴きたいって思った人には、サントラ盤のほうが向いているかもしれませんが、コステロを知るにはとてもいいアルバムだと思います。ちなみに彼は、8月で48歳になります。