ルガーノ・フェスティヴァル・ライヴ2006
2006年4月、ルガーノ・フェスティバルにおけるライヴ録音。この年の録音からは3枚分丸々、同年のフェスティバルでのソースということになりその内容の充実ぶりには眼を見張るものがある。
このアルバムの目玉はなんと言ってもシューマンのピアノ四重奏曲変ホ長調作品47をアルゲリッチ自身のピアノで収録していることだと思う。というのは、1994年9月18日、オランダ、ナイメヘン・コンセルトヘボウにおける『アルゲリッチ・ナイメヘン・コンサート』でこの曲を取り上げ、CD化されているのだが、アルゲリッチのピアノではなかったのだ。ご存じの方もいると思うがこの曲には決定的な名演がある。グレン・グールドとジュリアードSQによるアルバムだ。グールド唯一のシューマン録音でもあり、それだけこの曲にグールドがぞっこんだったことの証明でもある、すばらしい演奏なのだが、アルゲリッチはどう弾くか興味津々だった。やはりさすが、の演奏である。
それ以外にも恩師グルダの曲を取り上げている。グルダが亡くなった2000年にこのルガーノ放送交響楽団(クリュイタンス指揮)でアルバムを残しており、そういう縁から取り上げたのではないか、と思える。実に考えた選曲だ。