渚にて [DVD]
最近「エンドオブザワールド」としてリメイクされたがまずこちらから見る事をおすすめ。なぜなら刺激の強い現代版をみてしまうとどうしても物足りなく感じてしまう。でもそんな事を抜きにこの時代にこんな映画が作られていたことを考えて見てみたい。傑作なので是非両方とも。リメイク版では最後に『渚にて」というタイトルの意味を示す原作小説の最後の一説が現れるが、そこは是非新旧とも映像に入れてほしかった。
なをリメイク版DVDの未公開映像がちょうど70分でそれを除くと新旧ともほぼ同じ長さになる。なくてもよかったように思う。
渚にて
CDで聴く後追いの世代としては、まさに待望のCD化だ。それぞれの時代に傑作の多い人だが、今まで本作は聴きたくても手軽に聴けない恋こがれたアルバムの一枚だった。ベスト盤に残された断片やジャケットの写真から、頭の中で自分なりの音を想像して鳴らしていたものだ。今こうして繰り返し聴いているが、想像で鳴っていた初夏の浜辺の音ではなく、実は少し温度が低かった。これは秋の浜辺だ。個人的にはそう響いた。
シンプルなバッキングと、ただただ簡素なメロディが、あの声で歌われている。この頃、成功も納めていたが盟友との別れも経験してたんだったなあー。とにかく染みる。スローの流れがたまらん。こんなボキャ不足な言葉しか出てこないな。長い間おあずけ状態にあった74年産のおいしいお酒をすぐにでも味わえる、これからのファンは幸せものだ。
渚にて [DVD]
1964年に第三次世界大戦が勃発、全地球に放射能が拡散したという想定。オーストラリアの一部のみがわずかに汚染の度合いが低い状況の中で、アメリカ原潜と乗組員 オーストラリアの町の住人 死を迎える人間の世代毎の苦悩。被害の科学的状況より、人間の生きる営みにウエイトが置かれたシナリオがこの作品の強さでありまた、弱さでもあろうか。映画館での上映から40年?今世界の危機的状況のなかで、人間の愚かさを口にするのはやすいが、「兄弟よ まだ時間はある」という作品の中の町の横断幕の文字、汚染された故郷に向けて潜水していく原潜、明日の我が地球を示さないように声を挙げよう。遅すぎるかも知れないが!!
渚にて【新版】 人類最後の日 (創元SF文庫)
初めてこの本を読んだ時には小学生だったので、静かに死を迎える人々の気持ちがあまりよくわからなかったように記憶している。
福島で大きな原発事故の起こった今、また自分も親となった今、最期を迎えるにあたって日常にしがみつきたいという気持ちに強い共感を覚える。
自分たちで制御できないほどのエネルギーを使うことができるまでに進化したヒトでありながら、いっぽうで愚かな間違いを起こしてしまう側面もある。ただ、その愚かな間違いがいにより、故郷を奪われた福島の人たち、そしてその周辺の人たちにも、自分もただ傍観者でいることはできないということを改めて気づかせてくれる名著である。
本当の世界
「昔懐かしい」
なんてレベルじゃない、
呪詛的な要素すら感じさせる
強烈にノスタルジックな2人の歌声と、
ギリギリまで研ぎ澄まされた
サイケデリックで繊細ながら
どこか力強い演奏…
正直な話、
渚にての曲には、メロディなどなど
金太郎飴的な部分があるのは否めませんが、
金太郎飴として見ても、
"いつまでもこの飴をなめたい!"
"ずっとこのままでいてほしい!"
と思わせて、いや願わせてくれるサウンドであることは間違いありません。
そういった意味でこのアルバムは、
2枚組、というだけで僕の中では他のアルバムより価値があります。
それは単純に曲数が多いから、です。
「曲数が多い」そんな小学生がベストアルバム買うような理由ですら
このアルバムと他のアルバムに格差をつけることができる。
それほどまでに渚にては1曲1曲が素晴らしいのです。
そしてこのアルバムでは、
1stではあまり聴かれなかった
奥様の無邪気な子供みたいなボーカルも炸裂しています。
それのインパクトも、このアルバムを推す理由です。
なお、1stからこのアルバムまでには
毎回丁寧で長いライナーがついています。
内容は正直?ですが、なんか嬉しくなります。
あと最後に…
これは難点と感じられる人がいるかもしれませんが
ライナーと実際の曲では歌詞が違っています。
たぶんレコーディングのときに
間違えて録音して、でもそのテイクの方が良かったのか、
何か柴山さんの意志みたいなのがあるかはわかりませんが
それが気になると言えば気になるので、一応書いときました。