バベットの晩餐会 (ちくま文庫)
個人的には、20世紀最大の物語作家と呼ばれるディーネセンのベスト。ほとんど短篇・中篇しか書いていない著者がこのように呼ばれるのも、その物語の不思議な広がりと深さを考えれば当然と納得できる。貴族や枢機卿、オペラの歌姫や神を畏れる人々が登場する彼女の物語世界は、それだけ見るとまるでロマンティックなゴシック小説のようだが、実はまったく違う。エレガントで強靭きわまる知性が紡ぎ出す物語はどんな既成のフォーマットにも則っておらず、その背後には深く逆説的な形而上学が感じられる。この作品は円熟期のもので、その筆致にも穏やかな余裕が感じられ、独特のストーリー展開から簡潔で香り高い文章まで、本当にどこをとっても見事な芸術品だ。モーツアルトのドン・ジョバンニや聖書からの引用が運命的な物語と響き合い、まか不思議な芸術と愛の物語がシンフォニーのように展開する。敬虔で質素な老姉妹の食卓に奇跡のように最高のフランス料理が現れるシーンは、美食文学というものがあるとすれば文句なくその最高峰ではないだろうか。空虚な心を持て余した将軍が、やがて「この美しい世界には不可能なことなど何一つない」と悟る結末の心に染み入るような素晴らしさ。私はこの短い物語を何度読み返したか分からないが、読み返す度に感動が深くなっていく。映画も良いので、是非観て下さい。
バベットの晩餐会 HDニューマスター [DVD]
何度観ても新鮮な感動。折角の幸運を周りの人々に惜しげもなく分け与えるバベットの心根と、にくい程の食卓。客のひけたあとで一人厨房で心の重荷をおろすバベットの姿に 心ゆさぶられます。デンマ−ク人の感性。一見を薦めます。
バベットの晩餐会 【字幕版】 [VHS]
うん十年も前、この映画は封切時に観にいきました。
それ以来とても大好きなお気に入りの映画です。
現在日本では廃盤で、法外な値段がついておりますが、
とても馬鹿げております。
さっさと販売を開始してください。
観たい人はTSUTAYAでレンタルできますのでご安心を。
僕にとっては、
芸術とは?才能とは?名声とは?人とは?生きるとは?宗教とは?愛とは?楽しみとは?
いろいろなことを考えさせてくれる映画です。
とはいえ、決して堅苦しくも難解でもなく、
とても愛しい気持、豊かで、美味しい気持にさせてくれる優しい映画です。
ユトランド島に住むルター派の敬虔なプロテスタントを信仰する牧師とその娘マーチーネとフィリペ。マーチーネは将軍と、フィリペはパリのスターオペラ歌手にその歌声を絶賛されディーバになることを勧められるが、牧師である父と神に仕える道を選び、島に残る。
月日は流れ、神に使え二人とも独身のまま年老いていたが、ある嵐の晩に、あのオペラ歌手、パパンからの手紙を携え、革命に追われ夫も子供も殺されてしまったバベットが、無給でいいので2人に仕えたいと転がり込んでくる。。。そして、いつしかバベットは、姉妹にとっても島民にとってもなくてはならない存在になっていく。。。。14年間仕えたある日、バベットはフランスから1万フランの宝くじ当選券を受け取る。。折りしも、島民の間では信仰心が薄らいで、小さな小さな、諍いが起こり始めていた。。バベットは当てた金の全てを、姉妹の父である牧師の誕生100年晩餐会に使い、皆に料理を振舞うのである。
「舌は神を称えるためにある。」というような敬虔なプロテスタントの信者達は、その料理の贅沢さに恐れおののくが、、、いつしか、、、皆の中に、、今までなかった本心が芽生え、、
和を生むことになる。。。。
富めるものはその富を忘れ、貧しきものは貧しさを忘れ、楽しみ癒される。
地球や自然ではなく、人が人のために、、もしくは人が神の命を受けて創るもの、、、
それが芸術だと感じます。
よく芸術家は、自分の意思とは関係なく、創らねばならないという強迫観念があり芸術を創るといわれていますが、、それが神から与えられた使命であり才能と呼ぶべきものでしょう。。人を感動させる、、心を動かすものを創る。。それは、決して自分のためではなく、人に与えることが出来る選ばれし神の従者なのだと思います。
「あの世に持っていけるものは、人に与えたものだけ。」という言葉がこの映画の中で出てきましたが、、これが宗教の原点ではないでしょうか。。。。
真の名声とは、人に与えたものによって創られるもの。。。
島に残った姉妹も、いわゆる今の世の中で言われている名声ではなく、
愛する父や島民に自らの持てるものを与えることを選び、、
そしてパリの有名店「カフェ・アングレ」の女性シェフだったバベットも
敬虔な信者の島民達に和を与える道を選んだのです。
人気レストランで、自分の才能をお金で売るのではなく、、才能を愛に変え、愛を受け取る。。
パリへ戻った有名なオペラ歌手パパンの言葉が忘れられません。。「かつてのファンも離れ、私は忘れ去られてしまった。」。。。。。。。しかし、パパンの存在は、革命に追われたバベットをこの島に送り届けたこと、そして彼を愛したフィリペが忘れるはずはないのです。。。
人は愛し合ってこそ人である。楽しみも、宗教も、名声も、才能も、芸術も、そして生きる意味もそこにあると、改めて気づかせてくれる映画でした。
芸術で一番身近なものが料理、、それにしても、バベットが創る料理、、なんとも美味しそうで、こちらまでディナーに参加している気分にさせてくれます。
うずらのコンフィ、、、大好物なんだよね。。。。
食事を恋愛に変えてくれる、情事とかした食事に肉体的欲求と精神的欲求の区別はもうつかない。その感動や喜びを分かち合うことの大切さも、分かち合える相手がいることの素晴らしさも、日々の生活で大切ですね。。。。。。。
。。。。。。「邂逅」。。。。。そんな言葉を思い出しました。。。。。。
。。。。。。人生は良いですね。。。。。。
バベットの晩餐会 [DVD]
バベットの晩餐会が大好きで、、テレビ放映された時、録画したのですが、紛失しました。ビデオがDVDを安く手に入れたくて探しています.
ここの、ユースド価格は、高すぎると思います。間違いではありませんか?