イタリアン・ホラーの密かな愉しみ―血ぬられたハッタリの美学
映画ジャンルのなかでも極北と言われるイタリアンホラーの濃いハッタリ感覚満載のその世界を監督、ジャンル、歴史背景から総括的にまとめられており、これを読めばイタリアンホラーを楽しむのに一通り必要な知識が得られるだろう(そんな知識得て何になるともいえるが・・・)。よりによって数ある映画のジャンルからイタリアンホラーにはまる経緯というのがよく分からないが、全編、食人、ゾンビ、殺人と血みどろ映画のオンパレードで楽しめる。(楽しめる・・・ってのも変な表現だが・・・)。
食人族 てんこ盛り食人愛好家盤 [DVD]
「これがホラー映画なのか」、という問いは別として、人間が何の尊厳もなく遊び半分に殺される。一方で愚かな連中が、虫けらのように食料資源として食われる。殺伐としたコンセプトにあって、このあっけらかんとした明るい、ノリがせめてもの「救い」です。結局下品なやらせ映画なんだけど、後のトロマ映画に通じる、ブラック・ユーモアがなかなか捨てがたい。凝ったゾンビ映画よりも、この映画のアホらしさがたまらなく好きな時があります。
ヘルバランス [VHS]
イタリアンホラー低迷期の傑作、イタリア娯楽映画界は80年代ハリウッド映画の影響でジャンル系の作品が減少、
また多くの監督が低予算・短期間で仕事をした。その結果質の低下も招く事になった。
そんな中87年に主演マイケル・ヨーク、ヒロインにエドウィジュ・フェネシュ脇役にドナルド・プレザンス、
監督にルジェッロ・デオダート(バニシング・コンコルド・食人族・サバイバル・ショット)を迎え製作。
内容は少しせつないホラー映画で、ドラマの部分も丁寧に作られいて最後まで一気に観れました。
ラプソディー・イン・ブルー
80年代前半、友人に「この人の曲、とってもいいよ。」と、カセットに吹き込んだデオダートの「ラプソディ・イン・ブルー」を貰いました。リズムが心地よく、このアルバムを聞きながら眠りに就くのが好きでした。
長い年月が過ぎ、転居を重ねるうちに、そのカセットテープはどこかへ行ってしまいました。
その後、どうしても、もう一度このアルバムを聴きたいと思い、レンタルショップやレコード店を探したのですが、みつかりませんでした。
20年ほど前、ブラジル人と一緒になり、彼の祖国ブラジルへ渡りました。ところが、デオダートの名前を出しても、知っている人が、(夫を含め)私の周りには一人もいませんでした。もちろん、サンパウロ州奥地の小さな田舎町では、彼のアルバムに巡り合うこともありませんでした。
それが、こんなところで巡り合えるとは。
聴いていると、一曲一曲、胸が締め付けられるほど懐かしいです。
ダイヤル・ヘルプ [VHS]
電話に取りついた悪霊に襲われるオカルトホラー。
電話コードが襲ってきたり、コインが飛んでくるシーンが印象に残った。
音楽・撮影照明が素晴らしかった。
主演はゴールデン・チャイルドのシャーロット・ルイス