新・人間交差点 [DVD]
本作は、矢島正雄・弘兼憲史の『人間交差点』の新ストーリーとして、内海隆一郎の小説『翼ある船は』を織り交ぜながら再構成されたNHKの人間ドラマ。収録されている各回のタイトルは以下の通りである。
第1回 引退記者のファイル
第2回 赤ひげの歳月
最終回 翼ある船は
物語は、かつて新聞記者であった孤独な老人の寺嶋由次とその姉の孫娘で大阪で新聞記者をする富岡マリエとの出会いから始まる。当初、そりの合わない二人だが、様々な人々と向き合う中で現在と過去を通して多くの「感動」を紡いでいく。
しかし、最終回のカーチェイスだけは全くもっていただけない。いくら「岸壁の母」へと至る伏線とはいえ、せっかくの物語が少し浅薄なものに思えてしまった。また俳優に関しても、仲代達矢はともかく、佐藤江梨子と黒田有は、必ずしもベストの人選ではないような気がする。いわゆる「社会派」の重厚な素晴らしいドラマだっただけに、もう少し完成度を高めてほしかった、というのが私の率直な感想である。
深夜食堂 1 (ビッグコミックススペシャル)
傑作ご飯コミックと言えば「孤独のグルメ」。それは「ただ美味い、ということではなくその場の
感情で食欲が失せる」ということまで描いたから
この「深夜食堂」。実は「孤独のグルメ」に匹敵する傑作の予兆があるのは「主人公がどこにも
行かない」、つまり演劇で言うところの「一幕もの」の体裁をとっていることです
その日に、その場にあるものしか出さない食堂。店主も客も美味いものを求めてどっかに行ったりは
しない!ご飯コミック、グルメコミックと言えば美味いものを求めて旅するもんですが、その定石を
見事に壊しちゃったんです
ほとんど全てが店のカウンターで語たられる、いずれも「かなりどうでもいいお話」が「かなり
どうでもいい料理(インスタントラーメンまである!)」と折り重なり滋味豊か、美味、美味
となるわけなのです
かくして現れる料理は有機なんチャラとか、ヴィンテージがどうチャラとは無縁!
塩分、糖分、油分たっぷり、添加物もバッチリ、カロリーはハイ!ハイ!ハイ!
これをB級なんチャラなどと言うことなかれ!これこそ現代の家庭料理、日本社会の源泉です
決して巧い絵じゃないし、絵だけ見ると何の料理がよく分からないんですが、そこにラフ&タフな
味わい。これからもぜひ「どこにも行かずに」「一幕」の世界でしみじみと。。。健康食コミックの
向こうを張っていただきたい
僕の深夜食の定番である魚肉ソーセージが出てくるのを楽しみにしています
深夜にビールを煽りながら魚肉ソーセージを齧りながら観るテレビ映画が最高なんです