普賢・佳人 (講談社文芸文庫)
文は長く、重いが凄烈さもあり、きれもある。読めば読んだだけ味が出る作品とは、こんな作品であろう。もうすこし、熟成したあとで、読み返してみたい本である。「佳人」、「貧窮問答」、「葦手」、「普賢」の四編。初期の作品のようである。どれにも、怠惰で、好奇心もあるが、小心な著者が、悩み、のたうつ感じが出ていてよい。後期の作品も呼んでみたいところである。
紫苑物語 (講談社文芸文庫)
日本の小説の中では、これほどの美文に出会ったことがない。個人的には、谷崎も三島もこれに及ばない。また、これほど読み返したい文学もあまりない。なんでこんなに魅力的なのか、とつくづく思う。
精神の運動。この作者は、精神の運動神経がいいんだろうか。私なんか怠け者なので、到底及ばない。すぐに分かることだが、漢字でなくてひらがなを駆使するところに、まずポイントがあるのだ。
元気の出ない時に読むといいかもしれない。「狂風記」「普賢」などもお勧め。この人の該博に触れたいなら、ちくまで出している「石川淳評論選」がある。
それにしても、「櫛風沐雨」という言葉がカッコイイ。
新釈古事記 (ちくま文庫)
昨年、三浦佑之氏の『口語訳 古事記』(文芸春秋)が刊行されてから、古事記や日本神話が密かに話題になっていますが、『あの本は高くて・・・』と、二の足を踏んでいる人にはオススメです。
日本神話・古事記研究家からの評価も高く、また『普賢』『焼跡のイエス』などの秀作を残した芥川賞作家の“文学作品”でもあります。
私立荒磯高等学校生徒会執行部II
森川智之&石川英郎のボーカル曲がはいっている上に、原作のイメージを絶対に裏切らないドラマの出来。IIに続いてWILD ADAPTARというパラレル的な作品として、続編が出るのも納得できます。B.Lものの森川智之ファンにもぜひ、聴いて欲しいです。また違った森川智之の魅力がガンガン伝わる作品ですから。