特攻の島 1 (芳文社コミックス)
人間魚雷「回天」を主軸とした青春群像である。一度出撃したら、生還はない。重苦しい人間ドラマを佐藤秀峰が、見事に描き込んだ悲しい青春を現代の私達は心に刻まねばならない。
海猿 スタンダード・エディション [DVD]
海上保安庁の潜水士と言うエリートを目指す若者の訓練の厳しさや、ライバル同士のぶつかり合い、仲間との友情などを描いた青春映画です。
過酷な訓練や厳しい現実に向き合いながら、人命救助のエキスパートを目指す姿はある意味”ど直球の”青春映画ですが、これがまたなかなか感動できます。
辛い過去を持つ教官と前を向く若者。
エリートと言われるにはあまりにも厳しい訓練と水難救助の現実。
それぞれの役どころが本当に良い味を出してます。
感動の映画だと思います。
新作も楽しみですね!
漫画貧乏
一理はあります。でも、二理も三理もはありません。
そういった、佐藤さんの佐藤さんなりの佐藤さん的な理屈が書かれた本です。
『ブラックジャックによろしく』で描かれた意見の、正しい面もあるんだけれど、ある種の独善だなあと思えたあの感じが一冊続いている状態です。
少なくとも、
「食っていけないから、原稿料をあげてほしい」
というのは、理屈としてはおかしい。
仕事をうけおったのだから、生活を確実にみて欲しいというのは、ある種のサラリーマン根性であり、自由業の人間の言うべき言葉ではありません。
自由業の人間の言える言葉は本来ただ一つ、
「そのお値段では、おうけできません」
だけ。
ましてや、アシスタントの給料が連載の原稿料だけでペイするべきだという信念は奇妙です。単行本で、アシスタントの仕事を外して出版するわけではないので、印税は本来自分だけの権利という、佐藤さんの理屈は、全く理解できません。
さらに、奥さんの同意が得られているから、客観性が担保されているかのような物言いも妙ですね。
人は自分に同意してくれるような人を選んで結婚するものです。ランダムにあてがわれる担当者の同意こそが、本来の客観性というものでしょう。
ということで、間違った理屈が一杯なのですが、情熱は認めたい。
なによりも、これだけ間違った理屈を振り回す相手に、もっと馬鹿な返答しかできなかった編集者たちの数々の言葉が、実に実になさけないです。
これでは信用されなくても無理はないと思うのでした。
海猿 プレミアムDVD-BOX
正直言って、アンチ邦画派の人間でした。でも昨今の邦画は「出来上がっている」と感じられるモノも多くなり安心して観られるレベルに達してきました。
その中でも「海猿」は群を抜いてますねぇ。実際に本物のトレーニングを積んできただけあって動きや表情にリアリティが溢れています。原作は未見なのでどれくらいまでキャラが立っているのかはわかりませんが、漫画ではないので丁度良いのではないかぁと思います。
内容自体は悪く言うとどこにでもある単純な感動系ストーリー。しかし役者がしっかり演技してるのでグイグイと引き込まれます。展開が早くあれよあれよと話が進みますが、ついていけない、強引すぎるといった感じはないです。その点でも役者の好演技のおかげかと。
アンチ邦画のあなた。「海猿」は安心して観てください。所詮邦画だしと思って観てしまいがちですが、意外なくらいスタッフロールで浸ってしまっている自分がいるはずです。
特攻の島 5 (芳文社コミックス)
人間魚雷回天の史実を描く作品の第5巻。
本巻では主人公は気絶しており、前半中盤ほとんど休み。
米駆逐艦と潜水艦の息詰まる水面下の戦いが展開する。
普通の戦史マンガであれば、駆逐艦が爆雷を撃ち
潜水艦が魚雷で応戦、という華々しい展開となろうが
そんなカタルシスは本書には一切無い。
潜水艦が追い詰められるばかりの、惨めな、
しかしこれが戦争末期のリアルな戦争なのだろう。
地獄から生還した主人公は、生還したことで
より地獄にも似た「生」を生きることとなる。
死者にその身を重ねながら、違う意味で息詰まる
展開が淡々と続く。終戦というラストを知っているだけに
読者に重い意味を問う秀作である。