Rebel / Zar
ジョン・ロートンは、イギリス人であるが、そのキャリアをドイツのハード・ロック・バンド:ルシファーズ・フレンドのシンガーとしてスタートしている。LUCIFER'S FRIENDは、ジャズ/プログレッシヴの要素も持った実験的なハード・ロック・バンドで、知名度は高くないが、英米以外ではまだ珍しかった本格派のバンドで、その筋のファンにはよく知られていた。特にヴォーカルのJohn Lawtonの目の覚めるような美しい高音は、ロック30年の歴史を経ても色褪せることのない素晴らしいものであった。LUCIFER'S FRIENDの代表曲は「Ride The Sky」という曲で、若干ツェッペリンの「移民の歌」を思わせるコーラスでスタートするスピード・ナンバーである。
しばらくドイツで活動を続けるが、後にその実力を買われ、デイヴィッド・バイロンが去った英バンド:URIAH HEEPに2代目シンガーとして迎えられる。しかしバンドがやや下降線だったこともあり、アルバム3枚を残し脱退。一時ドイツに舞い戻って1981年のLUCIFER'S FRIEND 再結成にも加わっている。
この後、ロートンは再びドイツに舞い戻り、2つのバンドでシンガーを務めた。1つが REBEL(リベル)、もう1つが ZAR(ツァー)である。この2枚のアルバムを1枚にまとめたのが本CDで、格好いいハード・ロック・ナンバーが満載だ。特に、ZAR のファースト・アルバム「LIVE YOUR LIFE FOREVER」の完成度は素晴らしく、良い曲が多い。ロートンの天高くどこまでも伸びて行く高音には心が洗われるようだ。メタル系寄りのバンドのレヴューじゃないみたいだが、ロートンの美声には確かにそんな響きがあるのだ。美しいが、決して弱々しい声ではなく、完全透明だが適度にパワーも兼ね備えている。ちょっと滅多に居ない声で、聞いて損はないと思う。
その美声に惚れ込んで、元DEEP PURPLE/RAINBOW のリッチー・ブラックモアが真剣に自分のバンドに誘ったほどだ。普通人であるロートンが、リッチーの奇行を嫌ったようだが、もしかしたらRAINBOWの歴代シンガーの中に名を連ねていたかも知れない人なのだ。ハード・ロック/ヘヴィ・メタル・ファンならば是非聴いてもらいたい一枚である。
スパルタカス 【ブルーレイ&DVDセット 2500円】 [Blu-ray]
内容的には文句のない傑作、★は5個でもいいのだが、3個にしたのは画質があまりにも良くないため。
二重になった輪郭強調が正に「DVD画質」で、古い作品とは言え、もう少し何とかならなかったのだろうか。
この作品は1960年製作だが、これより10年近く前に作られた「巴里のアメリカ人」のブルーレイが
シャープで美しい映像に仕上がってるのを鑑みると、古さは言い訳にはならないと思うのだが。
この調子では、この頃に製作された「ベンハー」や「クレオパトラ」の将来のブルーレイ化が少し不安に
なってくる。ただ一方で、少し後の「サウンド・オブ・ミュージック」のブルーレイが超高画質になって
いるという話を聞くと、過度に悲観的になる必要もないのかとも思う。
ブルーレイは当たり外れのスリルを味わうのも楽しみ方の一つかもしれない。金太郎飴のようにみんなが
同じような画質ではつまらないのも確かだろう。
スパルタカス スペシャル・エディション [DVD]
スパルタカスは、やはりこのカークダグラスのオリジナルを見ないと始まらない。最新版スパルタカス赤蛇の紋章をこれから見る方、スパルタカス2004を見た方も、本オリジナル スパルタカスを見ることを是非お奨めします。CGなんぞ無い時代のスペクタル映像の凄さが解ります。