Icon: Dinu Lipatti
録音は、古い感じは、するのですが、リパッティのピアノが、とても、クリアーに聞こえてきます。今まで、いろんな、ジャンルのピアノを聴いてきましたが、リパッティのような、天から語りかけてくるようなピアノは、初めてです。テクニックも、ものすごいです。7枚組みで、リパッティの録音が、まとめられていますので、聴いてみられたら、いかかでしょうか。感動します。
ショパン:ワルツ集
買ってきて店の仕込みしながら陶然として聞き惚れていました(こういう良い演奏聴きながらだと不思議と仕事がはかどります(笑)手が自然に動くんだね)黙って聴いてなくて良かった… 涙が出てきそうなくらいの演奏だから。この演奏を形容する言葉は見当たりませんね… ただただ心地好いひたすら美しい… そして何より味わい深い… しっとりと高貴に香りふんわりと優美に広がり名残惜しげではあるが慎ましやかな余韻が有る、最高の赤ワインに対する最大の賛辞です… まあーこのCD百枚くらいの値段はしそうだね。 録音の事をネガティブに書いてるレビューがありましたが、私などは四十年代のSP用マスターと言う事からすれば素晴らしいリマスターだと思いますよ、「ノクターン」「マズルカ」などはダンパーの空気感も生々しいです。ステレオと表示されている場合はモノラル輸入盤をオススメします… 一本のマイクで録った一台のピアノの音をわざわざ二つに割って再生するんですから音が薄っぺらい(ブルーノートの東芝盤の評価が低いのは当然です)そもそもピアノ独奏にステレオ録音は必要無いよね。マスターに起因するノイズは「舟歌」の前半に少しヒスノイズが有ります。よくやった!と快哉を上げたい、エンジニアの方にはご苦労様と感謝したいくらいだね。 リパッティの演奏を聴いて思った… 三浦友理絵さんの解釈は全く以って正しい。彼女のワルツ集を聴きたいですね。
ディヌ・リパッティの芸術
リパッティは文字通り夭逝した天才ピアニストである。
その人生は33歳で幕を閉じたが、彼の遺した芸術は未だに愛されている。
ショパン、モーツァルト、バッハなどなど。どれを聞いても天才の名をほしいがままにしていたリパッティの演奏である。
みずみずしい響きで珠を転がすような自然な運指法。
そして、それぞれの曲の真髄に迫る深遠な解釈。
やはり天才だ。
ノイズがどうとか録音がどうとかいう問題、次元をはるかに超越している。
いつまでもそばに置きたいCDである。
ディヌ・リパッティ 伝説のピアニスト夭逝の生涯と音楽
ディヌ・リパッティを音で聴くのならブザンソンでの「最後のリサイタル」、さらにその生涯を文字で見るのならこの本である。音を聴くのに奏者の生涯を知る必要はない、と思う。それが正しい演奏の聴き方だ。なのにリパッティだけは別なのだ。おそらくこの本を手にしようとする人は「最後のリサイタル」を聴いている人だろう。読まずにはいられない、今にも倒れそうになりながらステージに上がり、ショパンを弾いた人間とはどんな人なのか、知らずにはいられない。思い入れのこもりすぎた演奏の聴き方であることは確かなのだが、それが許される数少ない演奏家がこの人なのだ。