チェルノブイリの少年たち
『チェルノブイリの少年たち』(原作:広瀬隆)、『尾瀬に死す』(原作:平野長靖)のコミック化。
各作品前後編の計4話と、それぞれの後書きから構成。タイトル作初出は1991年、週刊少年マガジンで2週にわたり掲載。
旧ソビエト連邦下での未曾有の放射能事故の顛末、一方の『尾瀬に死す』は、今では環境保全が定着した尾瀬湿原の
そこに至るまでの知られざる壮絶な過去、それぞれを当事者とその家族に視点をあて描いてます。
ともに自然界のバランスを無視した人類の独善が生んだ悲劇の記録です。
決して遠い遠い昔の他人事ではない、人類が地上に生息し続けるかぎり心にとどめ忘れてはならないもの。
この作品に込められた先達のメッセージは、つい目の前の利便・快楽の享受に安穏とする我々への警鐘です。
(僕と同じく)当時マガジンで読んで衝撃受けた方、これでもう一度読めますよ。
十数年前にこれ読んで以来、僕はクルマで片道30分以内の距離ならよほどの事がないかぎり自転車で行くようになりました。
語り継がれる戦争の記憶(2) (講談社漫画文庫)
読み終わった後のこの違和感、いったいなんだろうと悩んでしまった。
そしてそれは、2話目に登場する主人公、横田寛氏のストーリーにあると思った。
彼は自身の著作(ああ、回天特攻隊)があるのだが、その著作を元に描かれたこのストーリーは、いささか、彼が自書で伝えていたものと微妙に違う。
製作にかかわった方々は信頼のある方々であるため、晩年も含めての横田氏の想いを再現したものではあるだろうが、あとがきに、横田氏本人が生前、
『俺の気持ちは誰にもわからない』と言ったとあるとおり、この本もまた、横田氏の本心には触れられていないと思う。
この本だけでなく、横田氏の著作もぜひ手にするべきだ。