さすらいの二人 [DVD]
「砂丘」「欲望」ほどは好きじゃないし、ジャック・ニコルソンが別に彼でなくてもいいような感じ出てるのが不満ですし、途中まではけっこう緩くてダルいんです。でも、ラストの長まわしの緊迫感が凄いので、この得点付けちゃいます。この部分で歴史に残る作品になった。
アントニオーニは欧州風巨匠監督の中ではかなり好きなほうかもしれない。ご冥福を祈ります。合掌。
さすらいの二人 [DVD]
偶然の出会いと思いつきから他人に成りすまし、それまでの生活から逃げる所謂ロードムービー。プロットの背景に戦争と映像のコントラストを置くところはロッセリーニの影響下にあるアントニオーニらしい。だが男と女の出会いと別れのメイン・ナラティブ、とくに喧嘩して一度別れ、バンの荷台に佇むマリア・シュナイダーをみつめるジャック・ニコルソンの視線、は時代遅れのオリエンタリズムに逃げ込む男のそれでしかなく興ざめる。もちろんそれが線のか細い結末への伏線なのだが。
荒涼とした心象風景を北アフリカの砂漠やスペインの荒野に投影するその撮影やラストの長回しは彼の目的に対しては、当時としてはほぼ成功だろう。しかし既に21世紀のオレたちは、その砂漠や曠野にも、そこに潜む生々しい生の息吹きがそこここに潜むのを知っている。もうロマンチックな逃げ場などどこにも無い。
さすらいの二人 [DVD]
初めてこの映画を見ましたが、まず頭をよぎったのは、「昔の外国のイメージってこんなだったな」と言うことです。フィルムの色彩もその要素のひとつですが、子供のころ抱いていた印象を彷彿とさせます。
映画の話としては、いわゆる、現実を捨て去りたい人々の逃避行なのですが、そのシンプルなモチーフにアントニオーニらしいセンスが見て取れます。とても広がりがあるショットや伸びやかな開放感など、静けさの中にはっとさせられることがあります。個人的にはモノクロ作品の方が好みなのですが、これらはカラーならではといった感があります。
主演のマリア・シュナイダーは、また見ず知らずの中年男性とかかわりを持つ役柄ですが、以前ほどの軽々しさは見受けられず、好感を持って鑑賞することができました。若くしてブランドやニコルソンとこれだけの競演をしてしまえば、その後低迷してしまうのも仕方がないかもしれません。
テロや犯罪に巻き込まれるジャーナリストのニュースなど、昨今の話題ともシンクロする箇所が多い映画でもありますが、それよりも妙な懐かしさを覚える作品です。
おとなの銀座
山内賢はさすがに声が低くなったよねー、と聴いていたら、おお。
日本一すてきなあの高音が健在!
和泉雅子もとてもかわいい!
少し前に、懐メロ番組に出演したこのコンビを見たときは正直はらはらしたものですが、スタジオ録音のよさで、ていねいに上手につくってある感じです。
今年いちばんぐっときたCDかもしれない。
LIVE Beautiful Songs
矢野顕子、鈴木慶一、大貫妙子...っていう順番で期待したCDだったんですが、奥田民生がとても良い味を出していると思います。
中でも、大貫妙子の曲の「Mon Doux Soleil」などは、完全に自分の歌にしています。
コンサートのライブ盤なのですが、ライブの楽しさが本当に伝わってきます。