寵愛 [DVD]
白い部屋の中で繰り広げられる「体」を媒介にした男と女の恋物語。抱き合っていても、主人公たちの間にはどこか「距離」がある。
それに気づいてさらに強く抱くと、相手の存在はもっと不確かになる。そのジレンマが切なく悲しい。
大胆なヌードシーンがあるものの、映像が美しく、いやらしさは全くない。作品として必要不可欠だから裸になるのだ、ということが納得できるので、女性が見ても抵抗なく受け入れられるのでは?
見る人の立場や、年齢によって色々な解釈ができる作品ではないかと思う。繰り返し鑑賞するに足るDVD、買って正解でした。
個人的に、岩井俊二監督「undo」の作品世界に通じるところがあるのでは?と感じます。縛る愛と、体で繋がろうとする愛。方法は違っても、痛いまでの相手を求める気持ちが、更なる苦しみを生む構造は変えられないのかもしれません。
恋した人は韓国人。―日韓カップルがうまくいく条件
どうやらブログも終わってしまったようですが、日本でどのような結婚生活を送られているのか子育て等もやはり日韓で違う部分もあるだろうし二人がどのように乗り越えてゆくのか気になります。
遠距離恋愛、彼の兵役、韓国の彼のご両親や自分の両親のこと、韓国への留学…可愛い日記みたいな内容でスラスラ読めました。
兵役のときの寂しさ、お互いに不安な気持ちになってて感情移入してしまい泣けました。
あなたは遠いところに [DVD]
ベトナム戦争を扱った韓国映画は極めて少ない。朝鮮戦争後、韓国最大の出来事だったはずだし、アメリカでは多くのベトナム戦争映画が作られていることを考えると奇妙に思える。何故だろうか。
韓国映画としては珍しくベトナム戦争を扱ったこの作品の直接的なターゲットは、ベトナム世代の男性たちだろう。当時の流行歌を今の娘に歌わせ、往年の戦士たちを劇場に集める作戦だ。タイトルチューン「ニムは遠くへ」をはじめ、今のK-POPとは毛色の異なる泥臭い歌謡曲を、21世紀の女優が熱唱してみせる。
唯一の洋楽として「スージーQ」が使われているのは、コメディ要素を強調するためか。韓国ではこの曲のCCRバージョンが有名コメディアンの出囃子として使われていたので、イントロだけで笑いを誘えるのだろう。ただし最後の公演シーンではこの曲をストーンズばりに不良っぽくキメてみせ、内気だった主人公スニの成長と決意の大きさを表現していた。
主人公スニは愛のない結婚生活を送っていた。ソウルの大学に通っていたからか山出しのスニに興味が持てない夫は、結婚早々逃げるように入営しその後何も言わずにベトナムに行ってしまう。家の存続しか頭にない姑は、すべてをスニのせいにして追い出しにかかる。体面を気にする実家にも戻れない。強固な血縁社会で身の置き場を失ったスニは、夫に会うためベトナムに渡ることを決意する。
しかし民間人が自由に海外へ行けるはずもない。思案に暮れるスニだったが、怪しげなバンドのボーカルとして渡越に成功する。だが英語のできない素人歌手に米軍基地での公演が勤まるはずもなく、ブーイングを受けて消沈する。苦肉の策で韓国軍人の前で「鬱陵島ツイスト」を歌ってみたところ大受けし、バンドは韓国軍専門の慰問団としてツアーを開始する。さて、スニは夫と再会できるのだろうか。
この映画でどうしても不可解なのが夫の設定だ。妻を愛することもできず、ただ逃げるだけの男。ベトナムに行ったのも、軍人の使命感から志願したわけではなく、営内の不祥事で飛ばされただけ。もちろん戦場でも役立たず。懐メロと若い娘の脚線目当てに劇場に詰め掛けたお父さんたちも困惑したに違いない。外地に駆り出されても健気に働く善意の兵士になら、すんなり感情移入できただろう。しかし、気のいいバンドマンたちとは対照的に、夫は徹底してシンパシーを持ちにくい、陰気で無能かつ不誠実な男として描かれ、映画全体のテンションを下げている。モチーフにした曲「ニムは遠くへ」の歌詞の内容が、男に尽くした挙句捨てられた女の歌なので、それを反映したということはあるだろうが、それにしてももう少し魅力的な男にできなかったものか。
この映画ではベトナムを善良な被抑圧者として描いている。「ベトナム戦争映画」としてはこのような描写は当然に思えるが、実はこのようなベトナム戦争観は韓国では比較的新しい。民主化前には、分断国家という冷戦の最前線で亡国の危機感を常に抱えていたアジアの貧国が、同じ境遇の国を支援した聖戦という見方が圧倒的だったはずだ。また、多大な犠牲を払い、その対価として多くの外貨と米国の信頼を得たことは、その後の経済的飛躍に直接つながっている。ベトナム参戦を全面否定することは、現在の自分たちの否定になりかねない。連戦連勝を重ねた世界最強国アメリカが、初めて喫した黒星としてベトナムを振り返るのはある意味余裕の産物なのだろうが、韓国はそうは行かないのだ。
だから、あまりに韓国兵をダークに描き過ぎたり、ベトナムを絶望の戦地としてのみ扱うことは、現在の韓国では難しく、直接的な反発も買うのだろう。だが逆に兵士をあまりにイノセントに描いたり、すべてを戦争のせいにして誰もが気の毒だったとしてしまうことは、陳腐な反戦映画になってしまうのみならず、当事国の人間、ベトナム戦争の果実を享受する現代の韓国人としては無責任になってしまう。
このような複雑な事情があるので、韓国の映画人はベトナム戦争映画を作りたがらないのだろうか。この作品では、何重にもなった矛盾をコアターゲットの中高年男性に考えさせる機会を与えるため、あえて夫を好意を持ちにくい存在にしたのかもしれない。
韓国の軍隊―徴兵制は社会に何をもたらしているか (中公新書)
韓国徴兵制度についての一通りの解説と,兵士たちの感想とを紹介する一冊。
南北分断を正当化し,軍事的緊張を仕方の無いことと思わせるだけでなく,組織のために汗水流すことのすばらしさや,権力構造の保存を自明視することなど,人々を体勢に対して無力化する仕組みがあれこれと詰まっている。
本書によっても,個々の韓国人についての理解には何ら助けにはならないが,韓国以外にも世界で世論や常識がどう作られていくのかについては理解が進もう。もちろん韓国の制度については,サッと読め大変わかりやすく述べられている。韓国徴兵制度入門の良書。
ソ・ジソブ 「ごめん、愛してる」の世界へ -in YOKOHAMA- [DVD]
手早く言えばジソプのライブイベントの様子を見せてるDVD、ジソプ好きな方には良い内容かと思います。
ジソプの素直な感じが垣間見れたりもするのですが、司会進行の方がなんかへたくそで見ていてヤキモキする場面も結構ありそこがちょっと残念。
音楽CDがセットになっていてそれにはジソプ氏が雪の華を歌っているのですが、なかなか上手いです、ファンの方はこれを聴くために購入するのも良いのでは?