鼠―鈴木商店焼打ち事件 (文春文庫 し 2-1)
城山三郎が自身で調べ上げて記した、どこにもない史実のドキュメンタリー。
個人的には難解な部分が多く、とても短時間にさらっと読めるものではありませんでしたが、
時間をかけることでかなりはまり込んで読むことができました。
読後、奇しくもダグラス・グラマン事件の海部八郎元日商岩井副社長の言葉が思い出されました。
そして、正義の名の下に歪められて行く歴史の不条理に切なくなりました。
現代の豊かな日本社会は政治だけが作り上げてきたのではないのだということ。
これを知らずして現代の日本社会に何かを大声で語ることなど、
滑稽以外の何者でもないのかもしれません。