翼の折れた天使たち 空
Yoshiさんの、半年振りの本です。
フジテレビとの共同企画だそうで、テレビの方は四夜連続で放送されました。
空と海の二冊に別れていて、各5話ずつが、収録されています。
人間は大人になるにつれて、生まれ持った翼をなくしていく。
しかし、それに落胆しつつも、羽ばたいていかねばならない。
大人になるにつれて、付けられてきた傷は人様々だし、そこから立ち上がる様子も人様々。
その心や自分が再生していく経過を、Yoshiさんに送られてきた実話を元にして書かれた物語です。
Yoshiさんが採用するだけあって、どれも普通とはいえないような生活をし、傷付けられているのですが、その切なさや痛さはじんじんと伝わってきます。
しかし、テレビとの共同企画というのを意識して、描写なんかもテレビで補えるように書いたというか、どことなく弱い感じが…。
伝わるんですが、前の「恋バナ」と比べてしまうと、Yoshiさんならもっとよくできたんじゃないかな?と、考えてしまいます(読み手の勝手な意見ですが)
そういう点で、星四つ。
Yoshi原作 翼の折れた天使たち DVD-BOX
「チルソクの夏」「スウィングガールズ」で明るく元気な女子高生を好演した上野樹里が、パチスロで生計をたてる、あばずれ娘(涼子)を演じている。
「はあ?」「うぜぇーだよ!」と、悪態をつく彼女からは、従来の清楚なイメージは全くみられない。
ある日、同棲していたホストが(誰か?に)生ませた男の子を預かる羽目になる。突然の「とんだお荷物」に慌てる涼子。ホストに逃げられたいらだちを、その子にぶつける。
男の子はいままでだれにも愛されたことがない。何を言われてもただ「ごめんなさい」としか言えない。そんな態度に、自らの惨めなこども時代を思い出した涼子は、ますますつっけんどんな言葉を返す。とうとう寒空に家を出た男の子は、あやうく肺炎で死にかける。ベッドの男の子と話すことで、涼子の閉ざされた心は少しずつ開かれる。率直に人を愛せるようになる。
本編はたったの37分しかない。しかし、その短い時間で涼子の心の変化を見事に現している。
従来みられなかった上野樹里の迫力満点の「あばずれ娘」ぶりを差し引いても、おすすめの一品であることには変わりはない。